第6話 歴史はときに残酷な事実を残す

時は静かに歴史を刻み、


時は勇者の栄光を未来に刻み残す。




勇者は、連合国とともに魔王軍と壮絶な戦いを繰り広げた。


国土は焦土と化し荒れ果て、魔族や人族を含めた多民族の多くに不幸の時間が訪れた。




戦いは苦しみを産み、苦しみは全土に不幸と人々の哀しみを運んだ。




勇者は、人々の悲しみを尻目に魔王軍との戦い、そして魔王の死と伴に全てが終わった。




勇者たち連合国は勝利したのだ。


勝利に人々は喜び、歓喜の中で勇者を迎えた。


人々は悲劇が有った事を忘れたいが如くに、歓喜に酔いしれた。涙を隠しながら。




ある人は言う。


【一人の殺害が殺人者を産み、100万人の殺害が英雄を生んだ】




時は歴史を刻み、栄光を未来に刻み残した。


時は事実を刻み、勇者の心をズタズタに刻み廃人を残した。




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