しょうたいじょう
きょうかいへ行った日から数日経った。体の調子もよくなったからお庭に出て魔法のじゅぎょうをしたり、いろんなお勉強をした。まなーの練習もした。きぞくのあいさつの言葉とか、おじぎとか…難しかったけど頑張って練習してザック先生から『これで大丈夫です!』って言ってもらえた。あとは、カレンダーの読み方も教えてもらった。緑の1月、2月、3月…で緑の〜が赤、黄、白って変わって行くんだってあとは1月ごとに30日なんだって。今日は緑の2月25日。リュイさまと出会ったのは白の3月5日だったんだって。セバスさんに教えてもらった。リュイさまに出会った大切な日。
魔法もいろいろ使えるようになった。ボールみたいにして飛ばしたり、壁にしてみたり…いろいろな使い方があった。ぼくが得意なのは自分の気配を消すこと。あのお屋敷でなるべく人の目のつかないようにってしてたから想像するのも簡単だった。すごいですねってザック先生も褒めてくれた。
それから、リュイさまはお城に行くことが多くなった。お仕事だって…ちょっと寂しいけど、お休みの日にはいつも一緒にお庭にでて、ぼくに新しい名前をくれたところで過ごしていた。あの小屋?のようなところはガボゼっていうんだって。今日はリュイさまがお休みだからガボゼにのソファに座ってお茶をしていた。
ルイザさんが紅茶を入れてくれる。最近は飲んでもいいですよってリーザ先生に言ってもらえたから紅茶を飲んでいる。どっても美味しい…。入れ方も気になってるからルイザさんに今度入れ方を教えてもらう約束してる。
「本当に、元気になりましたねリラ。」
「はい。」
ソファに座る時はいつもリュイさまの膝の上に座ってる。頭をよしよししてくれたり、お菓子を食べさせてくれたり…とっても楽しい。
食べているのをリュイさまはにこにこしながら見てる。
「美味しいですか?」
「おいしいです。いつも…ご飯とかもおいしい…」
「それは、料理長が喜びそうですね。リラのご飯はほとんど料理長のハインが作っているんですよ?」
「ハイン…さん。」
お茶をしながら、お屋敷に誰が住んでるのか、じゅぎょうで何をしてるのかいろんなお話をした。
そんな時、お屋敷の方から誰か来た…
「リュイ様〜お休みのところすみません〜至急のお手紙でして〜」
なんだか、不思議な話し方の人。リュイさまはその人から手紙を受け取る。
「リラ、紹介しますね。私の従者と仕事の補佐をしているロイといいます。私のそばにいることが多いので覚えておいてください。あと、困ったことがあったらロイにも言ったらいいですよ。」
「ロイ…さん。」
「どうも〜リラ様〜初めましてではないですけど起きてる時に会うのは〜初めてなので、初めまして〜」
なんだか、力が抜ける話し方…じっと見つめていると…
「リラ様。不可思議な話し方ですが仕事はできるんですのよ。」
「不可思議って〜いいじゃん〜仕事してる時は真面目にしてるんだから〜」
「仕事は真面目でもその話し方で不真面目に見えるのですわ!」
「そんなに怒らないでよ〜ルイザ〜いつもはもっと可愛いのに〜」
ルイザさんがそう言ってるのにロイさんが答える。なんだか、仲良さそう。
2人をみていると…
「…あぁ、ロイとルイザは夫婦なんですよ。運命の番でもありますしね。」
「ふうふ…うんめいの…つがい?」
ふうふ…夫婦はわかるけど、うんめいのつがいってなんだろう?
「夫婦はわかりますか?…では運命の番ですね。運命の番はアルファとオメガは番になるのですが、そこには運命というものがあるんです。惹かれ合うべきして出会う人のことですよ。」
そうなんだなぁって思ってると。
「私とリラも運命の番なんですよ」
リュイさまがそう言った。ぼくとリュイさまがうんめいのつがい……
「リラと出会って直ぐにわかりました。とてもいい匂いがしましたからね。」
たしかに、リュイさまからはなんだか、木のような匂いがする。とってもいい匂い。それのことかな…??
「リュイさまも…いい匂い…します。」
「おや?リラにもわかるんですねぇ…。」
2人で顔を見合わせながら話していると…
「あの〜手紙の確認してもらってもいいです〜?いや、邪魔しちゃ悪いのは〜わかるんですけど〜」
「本当に。邪魔しないでもらいたいものですね…しょうがないですけど…」
ロイさんに話しかけられて仕方なしそうにリュイさまは手紙を開く。しばらく読んでると顔がだんだん怖い顔に…どうしたんだろう?って思ってたら…
「はぁ〜」
リュイさまがため息をついた。
「あの人…やらかしてくれましたね…」
手紙がグシャッてされる。ロイさんもあら〜って言いながら手紙を見つめる。
「なにが…書いてあったん…ですか?」
そう聞いてみると…
「リラ…申し訳ありません。本当は…本当はもっと成長してからにしようと思っていたのですが、あのバカ陛下が我慢できなかったようです…。」
そう怖い顔をしながらにっこりしながら言った。
どうやら、へいか?っていう人からのしょうたいじょうだって。しょうたいじょうってなんだろう?って思ってたけどリュイさまはロイさんとお話中…
紅茶のおかわりを入れてるルイザさんを見ると…
「どうされました?」
「しょうたいじょう…ってなんですか?」
そう聞いてみた。
「招待状というのは簡単に言ってしまえばお家に招待するので来てくださいねってことですわね。」
「おうち…」
そのへいかって人のおうちにしょうたいされたってことかな…?
また、リュイさまをみる。ルイザさんとのお話を聞いてたみたいで…
「そうですね…お家に来てくださいってことです。まあ、場所が場所なのですが…リラ、2週間後に王城へ一緒に行きましょう。国王陛下がリラにお会いしたいようです。名指しで招待状が送られてきたので断れません。」
こくおうへいかって…この国の王さま……???えっ…ぼく、おしろにいくの…???
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます