悪役な公爵令嬢は平和に過ごしたい

清蘭 かごめ

第一章 これが転生ですか?






井上 真莉愛。


これが私、アメリア・ローズ・バートラントの過去の名前。

過去っていうのは、多分、前世。

アメリアとしての人生の記憶もあるから、日本での記憶はきっと前世のものであろう。


ただ、井上真莉愛の人生の記憶はほぼ曖昧だ。

親の顔、友達の名前、自分の最期の記憶もない。

記憶にあるのは、自分の趣味のことだけ。


そう、オタ活である。

様々なアニメ、漫画から始まり、ゲーム、アニソン、声優まで幅広くオタ活をしていた。


アメリア・ローズ・バートラント。


先祖返りと言われているシルバーブロンドの髪。

透き通るような、を通り越して病的なまでに白い肌。

美形ではあるけれど、整いすぎてどこか冷たい印象のある顔。

いつも機嫌が悪そうにひそめられている形のいい眉。


そしてなんと公爵令嬢!


異世界ファンタジー系は漁りまくっていたから、タイトルは忘れたけど、この顔は覚えている。


これ、悪役令嬢ですわ。

どの悪役令嬢か忘れたけど、このきつそうな顔に公爵令嬢という地位。

間違いなく悪役令嬢だ。


ああ、ショックで頭が真っ白に……。


「お嬢様!?」


メイド服を着た女性が真っ青な顔で駆け寄ってくるのが見える。


たしか、アメリアの屋敷のメイド長のサーシャだ。

メイド服を着ているけど、黒じゃなくて緑なのね……。


目の前が真っ暗になる。

遠くでサーシャが叫ぶ声がしたような気がしたけど、そこで意識が途切れてしまった。


ああ、思い出した。


この子、めっちゃ体弱い子だった……。


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