第14話
こんなハル知らない。
こんなに怒っているのを見たことがない。
歩くスピードが遅い私に合わせてくれることも、くだらない話に付き合ってくれることも、そそっかしくてすぐ転けそうになるのを守ってくれることもなくて。
ただただ家路を急いでる。
「まって……!はる、」
「家まで黙ってて」
「ね、はる…!」
「煩い」
「痛いってば!!!!!」
掴まれた腕が痺れてきて、痛みが強くて。怒ってるハルも怖いし、話を聞いてくれないし。
これ以上無いくらいの大声を叫んだからか、少し冷静になったハルが力を緩めた。
「あ……」
「痛いよ」
「ごめん」
家まであと100m。
それっきり黙ってしまったハルは、痛みを堪える私の歩幅に合わせて歩く。
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