第5話

思えば、兄は小さい頃から過保護だった。何もするにも、どこを行くにも必ず着いてきたし、交友関係は全て把握している。



中学で部活をするにも『大事な妹が怪我をしたらどうしよう…!俺が代わりに部活するから応援だけじゃだめ?』と大反対だった。



そもそも中学は部活動が強制だったし、走ることだけは得意だったから文化部に入ることは頭の片隅にも無く。母と一緒に説得して陸上部に入部した。




大反対していた兄が、同じ部活に入るのかと思えばそうではなく、小学校から続けてきたサッカー部に入部した。




陸上部なら隣同士で練習しているから、目が届いて安心なんだと、なんとも理解し難い理由で許可が出たと知った時は、3日間口を聞かなかった。




そんな時も常に登下校は一緒で、周囲からも微笑ましいを通り越して心配されるほどだった。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る