さらに
全員、慌ただしいにも程があるのだ。
僕を巡ってバトルしたところで、僕は自由に生きることを信条しているのだ。誰のものにもなるつもりはない。
「それでティアラ様。自分の店に来た、ということは僕に何か用事が会ってきたのだろう?」
ドリル女は何だかんだ真面目。
基本的に執務作業で謀殺されている。北の荒野が大変になっている今、僕の元に何の用もなくやってくるような子ではない。
きっと、僕に何か用があってきたのだろう。
「……ッ」
僕の疑問にドリル女は少し息を飲む。
「……お母様からの、お願い事を伝えるべく私はここに来たんですわ」
そして、何処か言いにくそうに口を開く。
「ん?女王陛下から?女王陛下から僕に一体何の用?」
「北の荒野の魔物の大暴走。それをおさめる為の力を貸して欲しいとのことです」
「なっ!?何を言っておられるのか!?男性である彼の力を借りようなどと……それは前線で戦う私たちへの侮辱でもあるぞっ!?」
「の、ノアにこれ以上何かを求めるっていうの!?」
「断るよ」
「えっ!?何で!?」
僕が断りの言葉を告げる前まではドリル女へと怒鳴りつけようとしていたリーシアが、僕が即答で却下した瞬間にこちらへと疑問の言葉を投げかけてくる。
「面倒」
魔法の研究をしているのはただの趣味だ。
誰かを守る為、というわけでもない。目の前に困っている人がいたら助けるくらいの良心くらいは持ち合わせているが、わざわざ自分で困っている人を探し歩いて手を差し伸べるほどかと言われると、そうではない。
「頑張ったしね。しばらくはゆっくりするよ。別に僕は聖人君主じゃない」
龍を倒しただけで十分仕事したと言えるでしょ。これ以上、僕が頑張る必要なんてきっとないよね、うん。
「いや、別に聖人君主とは思っていないけど……」
「お母様は、その言葉も想定通りでしたわ」
「んっ?」
話を断って終わり。
さっさと三人を追い返して別のお客さんが来るのを待とうとした僕だが、ドリル女は更に言葉を続けた。
「……断られた、その時用の言葉も用意してありますの」
「えっ?何?僕を動かすとか何をしても───」
「もし、今回の申し出を受けてくれるのであれば───本来はごく一部の限られた者しか入ることの出来ない禁書庫。そこへの入場を許可するそうですわ」
「行くわ」
迷う必要はない。
続くドリル女の言葉に僕は即答で答えるのだった。以前、本気で誘惑して入ろうとした禁書庫。そこに入れてもらえるのであれば迷うことなく行きますとも。
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