第22話

いつの間にそんなことに!?


沖縄から戻ってから、ロクに一緒にいる時間もなかったはずなのに…っ!




「意味深な発言するじゃねぇの」



「昴、いつ手ぇ出したんだよ」




これ以上無いほど楽しそうに、カナちゃんとリョー君もその先を聞き出そうとする。


でもなんとなく複雑そうにも見える。


言わないけどね。




「…馬鹿か、お前ら」




言い捨てて、昴君は溜め息を吐く。


複雑ながらもドキドキな展開を淡く期待していたというのに。




「瞳はどう考えても、わざわざそんなことするタイプじゃないだろ」




的を射た返答に、『いや、でももしかしたら密かに!』なんて疑惑も浮かばなくなってしまった。


うん、いいんだけどね。


瞳ちゃんが大人の階段を上ってしまったら、それはそれで寂しいんだけどね。




「確かに姫はしそうにないっすよね」



「つか、しててアレだったら問題あ、…ってボールペン投げつけてくんな昴このヤロウ!」



「黙れ。沈めるぞ」



「お前が協力してやらねーからあのサイズのままなんだよ!」




いやいやいや!


今のはリョー君が悪いでしょ!


そりゃボールペン投げつけられるよ!


むしろボールペンで済んで感謝するべきだよ!

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