第14話

「思う。お前なら止められる。頑張れ」



「いや、そうやって丸投げにするのやめてくださいよ…っ」




迷惑なら先生が私たちを追い出してくれればいいじゃないですか…!


そんなあからさまに『面倒臭い』って態度とられても困るんですけど!




「別に保健医の邪魔はしねーよ」



「居るだけで邪魔ってことに気付け藤城。あとせめて『先生』って呼べ」



「まぁまぁ皐月ちゃん。少しの間だけ我慢してちょうだいよ~」




『邪魔』だと一蹴されてもなんのその。


気にした様子もなく、堂々と保健室に入り込む問題児たち。


…こんなのどうやっても私に止められるワケがない。


皐月先生もそれを悟ったのか、はぁ、と重い溜め息を吐き出して。




「で、ここに何しにきたんだよ」




すでに疲れ切った様子で、そんなことを口にした。


どうも他のメンバーは説明する気がないようなので、仕方なく私が口を開く。




「あの、この学校の裏ルートを探してるんです」



「はぁ?」




…うん、まぁね。


普通ならそういうリアクションになるわよね。


私だって自分で言ってておかしな話だと思うもの。




「いや、あの…。陽平が変なルート使って凄く早く生徒会室に辿り着くので、そのルートがどこにあるのかなって」



「…それで真下のココか」



「その通りです」



「ふぅん」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る