第11話

「んー、なんだろー。飾りとかー?」



「こんなトコに飾りあっても無意味でしかねーだろ」




んー、とみんなで考えを巡らせるけれど、なんのための扉なのかは見当もつかない。


結局。




「まぁ別になんでもいいけどー」



「そうだねぇ、どうせ壁しかないワケだし~?」



「生徒会室以外で調べよーぜ」




開かずの扉のことは放置。


きっと考えるのが面倒になったんだろう。


てゆうか、裏ルート探索はまだ続けるのか。




「生徒会室以外って、どこに行く気なの?」



「あー?ンなの真下に決まってんだろ」




気怠く答えた綾の言葉に、ふと考える。


真下っていうと…。




「保健室だな」




昴の言葉で、脳裏にあの人の姿が浮かぶ。


保健室の主。




「今日はサツキちゃんいるかなー?」




そう、皐月先生だ。


お菓子のような甘い薫りを纏う先生。




「いるんじゃねぇの?勤務時間帯でしょうに」




銀色の髪をさらりと揺らしながら、事もなさげに奏は言うけれど。


いや、それなら保健室には行かないほうがいいんじゃないの。


皐月先生のお仕事の邪魔になるんじゃないの。

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