第22話

昴の肩に左手を置く。


そして奏の時と同じように、できる限りの高さで跳んだ、けど。




「…っ」




空振り。


てゆうかギリギリ届かない。


ぴょんぴょんと、何度かチャレンジしてみるけれど。




「やっぱり無理…!」




ほんとにギリギリ届かない。


手首くらいなら僅かに触れたけど。




「昴、お願いもうちょっと下にして…っ」




ジャンプしながら、昴にそうお願いする。


1人でこんなふうにぴょんぴょんジャンプしてる私って確実に滑稽だと思う。




「ん」




懇願する私を見て、彼はちょっと手を下げてくれた。


そのおかげで、ようやく掌同士が触れる。


触れるけど、微かすぎて音さえ鳴らなかった。


これってハイタッチっていうんだろうか。




「ご、ごめんね昴、何回も」




息切れしながら謝る。


すると彼は、文句も言わずにポンポンと頭を撫でてくれた。


その手の感触に、ふっと気持ちが緩むけれど。


はっと、最大の難関が待ち受けていることに気が付いた。


生徒会1身長の高い綾だ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る