第9話

てゆうかもしかして、このゲームのボード理事長が作ったんだろうか。


だからこそのこの理不尽な内容なんだろうか。




「ねぇ、それで『決闘』って何するの?」




首を傾げて、誰にともなく聞いてみる。


すると数秒続く沈黙。




「面倒なのは勘弁だしねぇ」



「うん。俺も面倒なのは嫌だな」




ふむ、と考え込む奏と陽平。


マスの指示に素直に従うなんて存外素直ね。


この2人のことだから『別に決闘なんてしなくていいだろ』とか言うんだと思ってた。


そしてまた続く沈黙を破ったのは、ぴょこりとちょんまげを揺らした優斗。




「ねー、もうアレでいいじゃんー」




そう言いながら指差したのは、テーブルの上に置きっ放しになってた炭酸飲料。




「アレを先に飲み干したほうが勝ちってことでどうー?」




あのジュース、確か凄く炭酸強かったと思うんだけど。


にこにこ笑ってるけど、嫌がらせしようとしてるとしか思えない。


まぁ他に何か提案があるのかと聞かれたら思いつかないけど。




「別にそれでいいんじゃねぇの?考えるの面倒くさいし~」



「飲むだけでいいなら平和的だしね」




当事者の2人にも文句は無いらしい。


ゆらっと立ち上がった奏が、食事用のテーブルに近付いて炭酸飲料を2本手に取る。




「はいよ~」



「どうもありがとう」



「いいえ~。てか陽平とサシでなんかで勝負するって初めてじゃね?」



「ああ、言われてみたらそうかもね」

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