第19話
「8月1日生まれ、しし座のAB型。身長179センチ。好きな食べ物は片手ですぐに食べられるもの。こう見えて両利きだよ」
…うん。
『片手ですぐに食べられるもの』ってもはや味とか関係ないわよね。
なんだろう、それを『好きな食べ物』と言ってしまうことに酷く違和感がある。
あと『こう見えて』って言うか、むしろ陽平に言われたら『あぁ、やっぱりね』と思ってしまう不思議。
両利きって聞かされても別に驚かないと言うか。
「陽平の特技は口でさくらんぼのへたをリボン結びに出来ることだよなー」
「まぁそれは男の基本スキルだからね」
どんな基本だ。
そもそもさくらんぼのへたって結ぶものなんだろうか。
いや、確かに凄いけど。
「ヨウ君てさー。子供の頃にサンタさんにプレゼントのお願いとかしたのー?」
「ああ、したよ?」
「えっ、したのー!?」
ちょ、優斗。
『した』って言われてそんな全力で驚くってどうなの。
いや、私もだけど。
ちなみにみんなもだけど。
昴でさえ驚きで少し目を見開いてる。
「ちょ、待て待て待て!陽平、お前なにお願いしたんだよ」
綾、気持ちは分るけど興奮しすぎでしょ。
興味持ち過ぎでしょ。
気持ちは分るけど。
私も凄く気になるけど。
一体なんだろう、とわくわくしていたというのに。
「え?現金」
さらっと。
さらさらーっと。
それこそ無垢な子供のような瞳で軽く言い放った。
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