第3章:彼方からの微光
「ネルヴァス」という架空の星。その違和感は、日を追うごとに僕の中で膨れ上がっていた。
ある晩、老人に隠れて独自に観測を行った。手製の星図と照らし合わせ、問題の座標に望遠鏡を向ける。
――そのとき、ほんの一瞬だけ、そこに微かな明滅を確認した。
まさか、と思いながら老人にそれを話すと、彼は凍りついたように動きを止め、「見たのか」とだけ呟いた。
そしてそのまま部屋にこもり、観測すらやめてしまった。
僕はそれでも観測を続けた。「ネルヴァス」は、日を追うごとに確かに明るさを増していた。
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