第3話

「大丈夫か?病院いくか?」

こいつとうとう頭がおかしくなったのか。

「いや本当に聞こえるんだって。ほら、聞いてみろよ」

言われるがまま聞いてみると

「お...に...れ...」

あれ?本当だ。途切れ途切れだけど何か聞こえる。

「ほら、聞こえるだろ?」

「確かに聞こえるな。俺までおかしくなったのかな」

「二人とも聞こえてるんだから幻聴とかじゃないって。」

「そうだといいけど。それよりこの声ってどこから聞こえるんだ?」

「さあ?分からないな。」

なんで聞こえるんだろう?誰かが悪戯でスピーカーを設置したとかかなぁ。いやでも

置くスペースもないし...

「うーーん、気になるなぁ。もっと奥に行ってみるか?」

「悪い、今日塾だった!!母さんめっちゃ怒ってる!やべぇ」

あれ、いつの間に電話してたのか。颯真の顔、めっちゃ震えてるな。

それよりあの声だ。奥に行ってもっと調べてみよう。10分ほど辺りを探索していると、赤い光が見えた。

「なんだあの赤い光。茂みの奥のほうか?」

赤い光に誘われるかのように茂みをかき分けて進むと何かが見えた。

「なんだこれ。刀...だよな。」

そこにはだいぶ新しめで、刃の部分が赤い刀があった。

「うわ、かっこいいなこれ。触っちゃだめかな」

少年時代の記憶が蘇る。よく長い木の棒をもって颯真と遊んでたなぁ...

これ俺の中二病時代に想像していたものと似てるな。ちょっとだけ握っちゃだめかな?別に盗むわけじゃないし。

「よし。ちょっとだけ触ろう。」

近づいて触ってみると突然目眩がして視界が暗くなった。

「あれ...目眩が...倒れそう...」

これはやばい。早く離れないと...

そこで俺は意識を失った。

気づいた時には病院のベットにいた。幸い怪我などはなかったが、一応3日ほど入院するらしい。後から見舞いにきた親にこっぴどく叱られた。

「なんでこんな目に...」

まああの刀を触ったのが原因だろうが。ちょっと触っただけだぞ...もしかしてあの刀呪われてるのか?そうだとしたら最悪だ。退院したら寺にでも行こうかな。

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