第5話 本気だから
「あ、ごめん寝てました」
目が覚めると、窓の外は暗く。時計は8時を回っていた。
「おはよう、体調大丈夫?」
春陽は、パソコンを閉じて私の横に座る。
「朝よりは調子いいですけど、まだ吐き気とだるさがありますね。うわぁ仕事してない」
終えてないタスクが頭によぎった。私は急いで、パソコンに向かおうと立ち上がったが、春陽が引き止める。
「あーそれのことなんだけど、岩倉君に今日は無理そうって伝えたよ。秘書課でできる分はやりますだって」
あ、この人も社長だったそう再認識するのだった。
「ぎゅーしてください」
安心して、心も体も緩み切ってしまう。春陽にだけなら、甘えてもいいのかもしれない、欲が葛藤に打ち勝った瞬間だった。
「そっちから言うのはずるいよ。私結構限界まで我慢してるんだよ」
「ふーん、少し嬉しいです。すごく、心地よかったんです。多分春陽さんがdomじゃなくても私はあなたの優しさと真面目さが好きです。だから、あなたも私も自分自身でいていいんですね」
ふわふわと寝ぼけた甘えたな頭でつぶやいた。春陽は目を丸くして、私を見て、そして眉を下げた、その目つきは猫や犬かわいいものを見つめるような柔らかな表情だった。
「ねえ、playしたい。嫌なら断って、私これ以上我慢できないよ」
春陽は耳元で、荒い息を隠さずに言った。私は心の片隅で期待していたのかもしれない。頭の中で必死にダメな理由を探すが、見つからなかった。
「私もしたかったです。責任とってくれますか?あとみんなには内緒ですよ」
「責任取りたい。契約書でも何枚でも書くよ」
そう真剣に言う春陽さんに、少し笑ってしまった。春陽の手が膝に触れる。熱が広がった。
「セーフワードは?」
「契約書」
春陽は思わず微笑んだ。
「幸ちゃん、comeソファにおいで」
ハイハイのような動きで春陽に近づく、急に発散された欲求は止まらなく、がっつくように体は動く。
「good girlいい子だね。初めてだからゆっくりしようね。次hugできるかな?」
春陽の胸元に抱きつく、
「look」
顔を見つめる、綺麗な色素の薄い茶色の目、それには私の潤んだ顔が映っていた。
「いいこ、本当に可愛い、とろけた顔してる」
「春陽さんの顔もとろけてるもん」
負けずと反抗してしまう。
「そうだよ。あなたがこんなに可愛いから、私もとろけちゃう」
可愛いって言葉だけでこんなに気持ちいんだ。もっと、もっと欲しいよ
「ねえ、唇にキスしていい。私本気だから」
その“本気”って言葉を追求したいが「うん‥」したいという思いが先に来る。
「ん‥」
春陽さんの唇は柔らかくて熱かった。
「これもしかして初キスとか?」
「そうだよ‥」
「やった、もっとねえ幸ちゃんからkissして」
春陽は嬉しそうに強く服の裾を握る。恥ずかしい、コマンドのため渋々kissをする。
「good girl上手だね。今日はもう終わろうか、これ以上やると止まらなくなりそう」
「春陽さん好き」
ふわふわとした脳を必死に動かして、彼女の頬を触れてにやける。そんな私を愛おしそうな顔で春陽さんはヨシヨシと頭を撫でてくれた。
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