僕が恋愛否定論者になったわけ
笹の葉
第1話 僕が恋愛否定論者になったわけ
私が性に目覚めたのは中学2年生の時だった。
一般的な男子として目覚めるには少々遅い方だったと言う自覚はある。
突然の告白で何を言っているのか?頭おかしいのか?と思われたかもしれない。
しかし、少しだけ待ってほしい。
あの頃の私は何と言えばいいのか、中々に困った事態に陥っていた。
朝起きれば股間が大惨事。
同級生の女子を見ると変に意識して上手く話せず動悸が速まり何とも落ち着かない気分になってしまう。
多少は知識で知っていたつもりだったけど、体感すると全く制御できない状態に、まるでそれまでの自分が壊されてしまったかのように感じてしまい色々と思い悩まされたものだ。
まぁ、それも自家発電を覚え、自身で処理することを覚えてからは自制することができるようになり、友人達との馬鹿話で自分だけではない事に安堵したのも今思えば良い思い出だと言える。
ただ、目覚めたお陰と言うのも変な話だけど私もそのお陰か思春期へと突入してしまった。
何が言いたいかと言うと、ある女子に好意を抱くようになった。
当時はどうアプローチすればいいのか思い悩む中、恋愛初心者である私はとにかく情報を求めてWEBと言う大海原に船出した。
そしてとあるサイトを覗いてしまったのだ。
そう、小説投稿サイトである。
そこで幾つかの作品を読んでいくのだが、中々参考にできそうなものがない。
何故ヒロインの美少女たちが主人公に好意を抱くのかわからない。
理由が書いてあっても、え?そんなことで?と思ってしまう。
そして更に他の作品を見て行くと・・・そこで見てしまった。
NTR作品と言うものを・・・
正直な感想を言うと、はい!とっても胸糞悪くなりました!
読後は胸が苦しくなり、腹の底に石を詰められたかのような重苦しさが続き、何とも言えない気持ち悪さが余韻として残り続け、体を動かす気力も奪われ、食欲すら失い暫く絶食する羽目になった。
偶々酷い作品に当たっただけでは?と思い他の同じジャンルの作品を試し読みして自爆。
『ざまぁ』展開?とかがあってもまず初撃でダイレクトアタックで脳死!
中には追撃のNTRインパクトがですね、私の心を殺しに来てました。
何とも言えない満身創痍の状態で読み進めてはみるものの、その後のよくわからない謎のモテ展開で『ざまぁ』とか言われても意味不です。わからんとです。
気分が沈み込む中で、回らない頭で、考え、ま、まぁ、小説だからな。
現実ではありえないだろう。
そう思い更に浮気・不倫等のネガティブな情報を調べ始める・・・
そして私の期待は裏切られ、衝撃を受ける。
わかりやすいのは芸能人の浮気・不倫報道。
少し掘って『とっちゃんねる』。
でんせつの○ゅうじゅうにって何? 日本語通じない化け物?
そして私は真実に辿り着く。
世の中は不誠実な恋愛に満ちていた・・・
男の半数以上は浮気を我慢できない。
同じように女の半数近くも・・・
さらに驚きなのがPTA役員の半数は浮気するとか・・・
そして托卵って何?!信じられない。しかも既婚者の托卵率6~10%?
人を裏切るのはそんなに楽しいのか?
自分が同じことされても平気なのか?
それとも自分はそんな目に遭わないとでも思っているのか?
バレた時の慰謝料請求や社会的な立場の失墜は怖くないのか?
そのスリルがたまらない? 壊れてる。完・全・に・壊れてる! Are you crazy?
現に芸能人は浮気・不倫報道後はメディアから消えている。
時々その後が報道されるが、とてもいい状況にいるとは思えない事になっている。
それでも、それだけのリスクがあるのに、一時の快楽が勝るのか?
わからない。理解できない。想像すらつかない。だが、一つだけ言える。
私は裏切られたくないし、裏切るのも嫌だ。
そんな事を考えながらもなんとか学校生活を送っていたある日の放課後。
決定的な出来事が起こった。
私は日直の仕事で教室に残っていたのだが、彼女持ちの友人が真っ青な顔で飛び込んできた。
あまりの様子に私は心配になり声を掛けると、彼は壁を背に崩れ落ちるように座り込む。
「おい、大丈夫か?」
「む、無理だ・・・」
「何があった?」
「?!うげぇっ」
「おいぃ?!」
彼は急に口を手で押さえ
私は彼の背中を擦り、落ち着いた頃を見計らいゆっくりと事情を聴き始めた。
「わ、わりぃ、ごめんな」
「気にするな。それで、何があった?言い難いことか?」
しばらく沈黙が流れた。が、やがて彼は涙と共にゆっくりと話し始めた。
「由美の奴が浮気してたんだ」
「何?!」
まさか、まさかこれ程の、身近に浮気事件が発生するとは・・・
私は衝撃で固まってしまうが、彼は滔々と話し続ける。
「少し前なんだけどな、部活に行く途中で倉田先生に会っちゃってな、本を図書準備室に持ってくように言われたんだ」
「あ、あぁ」
私は衝撃の残る頭をなんとか稼働させ相槌を打つ。
「面倒だけど先生からの頼みは断れねーじゃん。それに今日は準備室は誰も使ってないからって鍵も渡されて図書準備室に行ったんだ」
「それで、それでぇ、図書準備室に着いたからさ、俺、鍵を開けようと思って、もらった鍵を、ポ、ポケットから出そうとしたらさ、中から、声が聞こえて来たんだ」
気付くと彼は涙を流していた。
それでも泣きながら、嘔吐きながら、ゆっくり、ゆっくりと話し続け、私は小さく萎んでしまったように見える彼の背中を擦る。
「最初は、ビックリ、した、けど、でも、面白、そうだと、思って・・・、思って、スマホの、カメラを、起動、して、録画を、始めて、中の、様子を、撮って、みようと、思ったんだ」
つまり、こいつは誰もいないはずの図書準備室に誰かが居るとわかり、興味本位で何をしているのか覗いたわけか。
「それで、何があったんだ」
「・・・」
彼は無言でスマホを見せてきたので受け取ると私は動画を再生した。
最初は床なのか壁なのかあちこち振り回されているみたいな動きの所為でよくわからなかったが、少しすると二人の人物が映し出された。
大分下からの、ローアングルからの視点である所為か男は後ろ姿のみだし、女の顔は男の陰に隠れて見えない。だが、声は拾えているようだ。
『なぁ、いいだろ?』
『でも、学校なんだよ?それにまだタケちゃんもいるんだから』
『大丈夫だよ。タケシならもう部活に行ってるから問題ねぇって、バレねぇよ!』
『で、でもぉ~』
『ぜってぇ~大丈夫だって』
そう言って男が女に迫って行き、二人の頭が近付く。
キスをしたのかな?すると女も『仕方ないなぁ』なんて言って男に抱き着き始めた。
まぁ、要するにおっ始めたんだね!
男がキスをしながら女の胸を揉み始め、反対の手も次第に下の方へと伸びていく。
すると急に女が男を突き放した。
『もう!こんな所じゃ嫌よ!』
その時、男と距離が開いたせいで女の顔が露わになった。
その顔を見て私は改めて衝撃を受けた。
何故なら私には女の顔に見覚えがあったからだ。
と言うより、よく知っている顔だ。
同じクラスの鹿野 由美。
今、私の目の前で真っ青になって震えている山本
『ちぇ~、仕方ねぇな。なら俺ん家に来いよ。やろうぜ』
『えぇ~』
『いいじゃねぇか、どうせ一番はタケシなんだろ?それともタケシに教えちゃおっか?』
『もう~、そう言う意地悪しないの!』
『いいじゃねぇか♪』
『はぁ、わかったわよ。もう、仕方ないなぁ~♪』
そこからまた映像があちこちの壁や床かな?をグルグルと写し廊下に出ると図書準備室が遠ざかり、そこでピタッとまた画角が安定する。
そして暫くすると図書準備室の扉が開き、一組の男女が出て来るのだが、最初に映ったのは男の頭のみ。
周りを警戒するようにあちこち首を巡らせている。
その所為である瞬間にばっちり顔が映り、そこで私は更なる衝撃に襲われる。
一緒に出てきた男の顔にも見覚えがあったからだ。
築地 鰹。じゃなくて築地 克雄。
私の幼馴染だった。
「マジでか・・・」
私はあまりの衝撃で暫く放心していたが、私よりもひどい状態のタケシを思い出し考える。
身近で起きたこの事件。突然巻き込まれた形ではあるが、一つの欲求が頭をもたげる。『この先の顛末が知りたい』
浮気・不倫ものの情報を仕入れていた私にはタケシの行動方針次第でアシスト可能だと考えた。
そこでタケシに質問する。
「タケシ」
「・・・なんだ?」
「どうしたい?」
私の質問に目を見開くタケシ。
「お前を裏切った二人をどうしたい?」
「・・・殺してやりたい」
私の質問にやや間を開けて答えたタケシの顔は怒りとも憎しみとも悲しみともつかない負の感情を湛えた表情を浮かべていた。
「そうか」
「あぁ」
「さすがに殺してしまうとお前の人生が終わってしまう。あの二人にお前の人生を終わらせられるのは腹が立つ。
なので友人としてそれは止めさせてもらう。だが、代わりに奴等に正当な制裁を加えると言う事であれば手を貸せるが、どうする?」
「正当な制裁?」
「タケシは裏切られたんだ。その裏切りに対する制裁を科すことはタケシの正当な権利だと俺は思う。
江戸時代とかなら不義密通は打ち首獄門!ってこともあったらしいけど、今の日本じゃ無理なんだ」
「それなら何もできないんじゃないのか?」
「確かに物理的な制裁はできないんだけどね。それ以外の方法ならできるんじゃないかな?と思ってるんだ。
まぁ、制裁と言う意味では同じなんだけど、奴等を物理的に殺すことは出来ない。なら、社会的に殺すことにしないか?どうする?」
悪魔的な私の誘い文句にタケシは瞳を濁らせる。
今タケシの中では制御できない程の色々な負の感情が渦巻いているだろう。
さて、タケシはどうするのかな?
私はタケシの返事を黙って待つ。
「やる。やるぜ、俺は」
そう言ってタケシは立ち上がると身体を震わせる。
だが、その震えは今までの怯え混じりの震えとは異なり、怒りで身体が燃えるように震えていた。
「了解。じゃぁ、早速行こうか」
「? どこに?」
「俺の家だよ」
「なんで?」
「さっきの動画でカツオが言ってたじゃないか。『俺ん家に来いよ』ってね。だから証拠を手に入れられるんじゃないかと思ってね。あ、さっきの動画コピー貰えるかな?」
私の言葉にタケシは怒りが再燃したかのように震えるが踏み止まり「わかった」と覚悟を決めたように私に続いた。
そしてやってきました我が家。
「それじゃ、まぁ上がれよ」
そう言ってタケシを上げて俺の部屋へと移動する。
「最初に言っとくが、大きな声や音立てるなよ?隣にバレるから」
「隣?」
「あぁ」
「わかった」
了承は得たがどこか納得しかねた様な表情のタケシの前で俺は足音を殺し、扉をそっと開けて自室へと入る。
俺に続いて入って来たタケシを椅子に座らせると俺はスマホを取り出して自撮り棒にセットしてカメラを起動。
動画撮影を開始する。
その様子を見たタケシは何かを言いたそうにしていたが俺は自分の口に指をあてて黙るよう促すと窓を開けて隣家の窓を確認する。
隣家とはいえ距離はあまり離れていないので何を話しているのかまではわからないが人の声らしきものと物音がする。
カーテンが完全に閉まっていたらお手上げだったんだが、思った通り、カツオの雑な性格が幸いし、絶妙な隙間が出来ていた。
私は窓から上半身を乗り出すとカーテンの隙間に自撮り棒を差し向け、中の様子を撮り始める。
中々に辛い体勢ではあったが、何度かタケシと交代することで撮り続ける事が出来た。
そして1時間程経った頃だろうか、隣家の玄関の扉が開き一人の少女が出てきた。
間違いなく鹿野だ。
私は慌てて自撮り棒を引っ込めると鹿野の横顔をカメラに捉えて撮影し続け、彼女が消えるまで撮り続けた。
タケシは鹿野の姿を視界に捉えると歯を食いしばり拳を握り込んでいた。
怒り・悲しみ・憎しみ・失望・絶望。
自分になのか相手になのか、それとも世界になのか・・・
どんな感情が彼を苛んでいるのかはわからない。
それでも既に事は起こっており、良くも悪くも前に進めるしかない。
取り敢えず私はタケシと共に動画を確認。
・・・はい、バッチリ映ってました。二人が重なってる状態で顔もバッチリしっかり映っていて誰が見ても識別可能な状態です。
私はその動画を見ても不思議と興奮はせず、最初は気不味さと気持ち悪さと信じられない思いで一杯だったが、最終的にはよくわからない笑いが込み上げてきた。
因みにタケシは食い入る様に見続けていたが、途中でトイレに猛ダッシュ。
耐え切れなかったんだ。
暫くしてもタケシが戻ってこなかったので様子を見に行くと便器を抱えるようにして項垂れ、「なんでだ?なんでだよ」と繰り返し呟いている。
私はトイレからそーっと距離を取るとワザとらしく大きな声で咳払いをして再びトイレに近付く。
私の声が聞こえていたのだろう。トイレを覗くとブツブツと呟くのをやめたタケシと目が合う。
「どうするタケシ?」
私はあえて「大丈夫?」とは聞かず、次の行動を確認する。
「ど、どうするって、なにを?」
「いきなりで唐突で突発的ではあるが、証拠は十分手に入れたと思う」
その言葉に動画の映像がフラッシュバックしたのか素早く口に手を当てるタケシに構わず私は淡々と言葉を紡ぐ。
「つまり、お前はどうしたい?制裁をするのか?しないのか? 鹿野と別れるのか?それとも和解するのか?」
「別れる。・・・別れたい。あんな気持ち悪い奴とは一緒に居たくない」
あのシーンを見て嫌悪が強くなったか。
「それじゃ、カツオはどうする?」
「殺す!」
憎悪の籠った低い声で即答した。
「物理的にはなしだよ。まぁ、社会的にはってことでいいか?」
そう言うとタケシは頷く。
「カツオをやるってことは鹿野の方もやる事になるんだけどOK?」
「あぁ」
「それじゃ、とりあえず制裁方法について詰めて行こうか」
そう言ってタケシと話し合い制裁方法を詰めていった。
思いの外、事前準備に時間が掛り私とタケシは2日間学校を休んで準備に勤しんだ。
その間タケシのスマホには鹿野から心配してるアピールが結構な数Rainで飛んでいたようだが、その間もタケシが居ない事をこれ幸いとでも思っているのか鹿野はカツオの家に入り浸っていた。
私はこの鹿野の行動が全く理解できなかった。
それどころかタケシを心配と言いながらタケシを裏切りカツオとの行為を楽しんでいる鹿野が気持ち悪い醜悪な化け物に思え、カツオの家に入り浸る姿を見る度、嫌悪が募った。
その思いはカツオにも当て嵌まり、カツオへの気持ち悪さや嫌悪もいや増しに増した。
因みにカツオの両親は個人経営の飲食店を夫婦で営んでいるのでいつも帰りが遅い。だから逢引きし易かったのだろう。
まぁ、私はその都度動画をゲットしていたので証拠は増し増しである。
こんなので今までよくバレなかったものだ。
いや、タケシは部活を頑張っていたからその時間を狙われていたと考えると、こんなのでもバレないのか?
そう考えると私もカツオの家に出入りする鹿野に気付かなかった訳で、人間意識しないと案外気付かないものなのかもしれない・・・
そんな事を考えながら動画を編集し続けてようやく完成する。
作業が終わったことを知らせる為、タケシに電話をすると直に繋がった。
「タケシか?」
「あぁ」
「動画の編集が終わったんだが、これから大丈夫か?」
「あぁ、大丈夫だ。ありがとう。早速で悪いけど持って来てくれないか」
「わかった」
こうして私達は着々と準備を進めて行った。
「さて、準備も整ったし、明日決行と考えているんだが、行けるか?」
タケシの表情は暗い。
準備中も口数は少なく、思い詰めた表情は時々苦しそうに歪んでいたが、本当に大丈夫だろうか?
「タケシ、制裁を加える準備は整った。だが、最後に確認したい」
「何を?」
「お前は本当にやるのか?躊躇いは、後悔はしないか?」
「・・・」
「迷っているのならやめても俺は構わないぞ」
「・・・やる。やって全てを清算してやる。
じゃなきゃ・・・じゃなきゃ、前に進めない」
そう言うとタケシの瞳に力が宿る。
暗く濁っているようにも見えるが力強さは伝わって来た。
「わかった、それじゃ、明日は頑張れよ」
「あぁ、ありがとう。頑張るよ」
そう言って私はタケシと別れた。
翌日、私はいつもより早く学校へ登校した。
どうやら今日は私が一番乗りだったようで教室には誰もいなかった。
誰もいなかったことに落胆とも安堵とも取れない息を吐き、内心ドキドキしている心臓を静めるように深呼吸をしながらタケシが登校して来るのを待つ。
そして一人、二人と登校し教室に入って来る生徒に挨拶したり休んでいた間の話をしたりしながら過ごしていると鹿野が入って来るのが見えた。
彼女はいつも
次いでカツオも教室へ入って来て挨拶をしてきたので軽く答えて視線を外す。
私の態度に訝しそうな顔をするが鹿野を見付けると直にそちらへと興味が切り替わったようで彼女へ声を掛けていた。
私は彼女等を見るのも声を聴くのも不快で仕方なかったが、今日の制裁のことを思い我慢した。
ただ、直接の被害者でもない私がこれだけの嫌悪を抱くのだ。タケシは大丈夫だろうか。
決行はホームルーム前の教室、登校直後。
そして運命の時は来た。
ガラガラと扉を開けてタケシが入って来た。
そして私は秘かに身構える。
俯き重そうな足取りで自席に着こうとしたタケシに鹿野が嬉しそうに声を掛けた。
「あ、タケちゃん、おはよう!病気大丈夫だった? もう、心配してRain送ったのに何で見てくれなかったの?私寂しかったんだから~」
鹿野の声を聴いてタケシが固まる。それでもタケシは必死に首を動かし私の方に視線を向けて来たので私はゆっくりと頷く。
それを見てタケシも小さく頷き、意を決して鹿野へと向き直る。そして私はタケシを見守る様にタケシと鹿野を視界に収めた。
「由美、いや鹿野さん。俺と別れてくれ。もう無理だ。それともう二度と俺に話し掛けないでくれ」
タケシの言葉に一瞬言葉を失う鹿野だったが、直ぐに表情を怒らせ反撃を始める。
「な、なんでそんなこと言うのよ!信じらんない!私が何かした?」
「本気で言ってるのか?」
「ほ、本気ってなによ!当り前じゃない!
私何も悪い事してないのになんで別れなきゃいけないのよ!
そんなの、そんなのってヒドイよ~」
周りをチラ見して泣き真似をする鹿野。
あ、あざとい。鹿野の二面性を知ったが故に気付けた動きだが、知らなかったら騙されたかもしれない。
そんな鹿野の様子に騙されたクラスメイト達が次第にタケシに厳しい視線を向け始める。
「ちょっと山本君、いきなりそんなのは酷いんじゃない?」
鹿野の様子に遂に女子の一人がタケシを非難する。
その状況にタケシは溜息を吐いて席に着こうとするが、それを鹿野が咎める。
「溜息なんかじゃ誤魔化されないんだから!説明してよ!じゃないとみんなも納得しないわよ!」
泣き真似はどこへやら、『正義は我にあり!』とでも言うかのようにタケシを問い詰める鹿野。
そして鹿野の剣幕に更に皆の注目が集まり、唐突な別れを切り出したタケシが悪いのでは?と非難されそうな雰囲気が高まる。
が、しかし、悪手である。私とタケシはその言葉を待っていた。
今思えばこの時の私は多分、随分と悪い笑顔を浮かべていただろう。
「わかった。皆に教えてやる」
そう言うとタケシは鞄からスマホを取り出しクラスのグループRainに2つの動画を上げた。
数瞬後、クラス中のスマホに着信音が響く。
「その動画が理由だ」
怪訝な表情になる鹿野だったが、一つ目の動画を再生し始めると次第に顔から血の気が引いて行った。
※ 因みに一つ目の動画は図書準備室での出来事です。(無修正)
そして二つ目の動画を開き数秒後、彼女の口から絶叫が迸る。
※ 因みに二つ目の動画はカツオの自室での出来事です。(無修正・・・だってモザイクの掛け方知らないからw)
そして教室の彼方此方からも悲鳴が上がる。
「鹿野さん。これが理由だ。君は俺を裏切り浮気をした。しかもよりにもよって築地とな、だから腹立たしいし、悲しいし、気持ち悪いんだ。お前と一緒の空気を吸っていると思うだけで吐き気がする。二日間、学校に来れなかったのもお前の所為だよ。お前が気持ち悪すぎてこれなかったんだ。それなのにRain送って来やがって・・・気持ち悪くて吐き気がする」
「な、なんで・・・」
鹿野は涙ながらにタケシに訴える。が、その言葉にタケシは激高する。
「なんで?なんでだと?! それは俺のセリフだ!なんでカツオとやってんだよ!このビッチ!
お前、俺にはこういう事はちゃんとしたいから今はやめようって言ったじゃねぇか!それがなんでカツオと猿みたいに盛ってんだよ?!このビッチ
「び、ビッチって・・・ヒドイ!」
「事実だろうが!」
タケシの剣幕にたじろいだ鹿野は泣きながら教室から走り去った。
そしてタケシの視線がカツオに突き刺さる。
「カツオォ。テメェも絶交だ。二度と俺の前に面出すな。俺の前に顔出すんならそれなりの覚悟をしろよぉぉぉぉ!」
そう言ってカツオに詰め寄ろうとしたので接近する前に慌てて止めた。
「タケシ、手を出すな。こんなクズにお前が手を出す価値はない」
そう言って俺は必死に止める。
タケシは空手部で今年の夏に全国制覇した猛者だ。
本気で殴ったらカツオを殺してしまう。
「ひ、ひぃぃぃぃー!」
カツオは無様な悲鳴を上げて逃げようとするが腰が抜けたのか尻餅をついてしまう。
その無様な姿を見て少しだけ落ち着いたのかタケシが詰め寄るのをやめた。
俺はホッとしてタケシを留めていた手を離すと、後ろからカツオが声を掛けて来る。
「あ、ありがと「お前の為じゃない!」ぉ」
私は嫌悪感も露わに声を荒げる。
「断じてお前の為じゃない。止めたのはタケシの為だ」
そう言って私はカツオに詰め寄ろうとしてふと思い付く。
「おっとぉ?!」
咄嗟に足が縺れたふりをして倒れ込みながらカツオの顔に打ち下ろしのエルボーを決める。
「あー、すまん。足が縺れてな・・・大丈夫か?」
そう謝罪しつつカツオを見ると見事に伸びていた。
「はは」
思わず笑みが漏れる。
「お、お前、俺を止めた癖に・・・」
私の顔を見て確信したのか、タケシは呆れ半分、笑い半分で複雑な表情をしていた。
「まぁ、お前がやると洒落にならんからな。じゃない。偶然だ。偶然の事故だ。すまない。あー、保健委員、保健の先生呼んで来てくれないか?頭打ったかもしれんから動かせないんだ」
手を合わせてそう言うと保健委員の城谷がさっと教室から出て行った。
その後は動画の件や保健の先生が来てカツオが運び出されたりと色々あったが、制裁はこれだけでは終わらない。
鹿野とカツオの情事は学校にバレていたので次の日に鹿野とカツオは両親同伴で学校に呼び出される事になった。
何故バレたのかと言うと、俺が前日登校した時に学校のポストに例の動画と一文を加えて無記名投函したのだ。
文章内容を簡単に説明すると、
----------------------------------------------------
私の子供が通っている学校内で猥褻な行為をする生徒がいるようです。
学校としてどういう指導をしているのか甚だ疑問です。
つきましては証拠同封の上で県の教育委員会へと報告させて頂きます。
証拠の記憶媒体も同封いたします。
何卒、正しき対応と判断をお願いいたします。
----------------------------------------------------
こんな感じです。
因みに鹿野とカツオの家には図書準備室で事に及びかけている画像と二人がハッスルしている画像を複数枚投函しています。
これが私が朝早く登校した理由とタケシが遅くなった原因でもあります。
まぁ、お陰でその日の夜にはお隣さんから激しい口論が聞こえてきましたがね。
どちらも家族会議が捗ったことでしょう。
そして翌週、タケシが学校に呼び出されることになりました。
タケシにそのことを知らされた私は遂に来たかと、腹を括ります。
「タケシ、私もついて行きますよ」
「え?なんで?」
「なんでって、私も関わってますからね。それにタケシだけじゃ誤解される可能性が高いですから、私も付いて行きますよ」
「い、いいのか?」
「えぇ、それにタケシを焚き付けたのも私みたいなものなので責任も感じてるんですよ」
「わ、悪い、助かるよ」
そうして校長室の扉をノックする。
「どうぞ、入りなさい」
中に入ると校長と教頭に学年主任と担任と錚々たる顔ぶれが揃っていた。
「あれ?武蔵野君?君は呼んでいないですよ?」
担任がそう声を掛けてくる。
「多分タケシ、山本君が呼ばれたのは鹿野さんとの別れ話の件かと思いまして同行を願いました」
「どういうこと?」
「あの件には私も関わっていると言う事です」
「え?」
「まぁまぁ、設楽先生、落ち着いて」
校長がそう言って設楽先生を宥めると視線をこちらに向けた。
「まずは座ってください」
そう言われタケシと共にソファーに座る。
「そうですねぇ。早速で申し訳ないのですが、少し聞きたいことがあります」
校長がそう前置きした上で話し合いが始まった
「何故あんなことをしたんですか?」
「あんな事とは?具体的に教えてもらえませんか?」
そう言うと校長は少し躊躇いながら答える。
「クラスのグループRainに動画を上げた件です」
「・・・鹿野さんが説明しろと言ったからです」
短くタケシが答える。
「意味がよくわからないのですが、彼女を晒し者にするようなことが必要だったのですか?」
校長は悪し様にタケシを問い詰める。
「ちょっと待ってください校長先生!何か誤解されていませんか?」
「何がです?山本君があんな動画を拡散するから彼女はショックで家に引き籠ってしまったんですよ?」
「やはり話がおかしいのですが?晒し者にされかけたのは山本君で鹿野さんは加害者ですよ?」
どうにも校長との話が咬み合わない。
「武蔵野君は何故真逆の事を言っているのですか?
あなた達があのような動画を上げたことで彼女は塞ぎ込んでいるのですよね?
だから私達は何故そのような事をしたのか事情を説明して欲しいのです」
「あの、その話は誰から聞いたんですか?」
「鹿野さんと築地君からです」
そこでようやく合点がいった。あいつ等は保身の為に口裏を合わせたのだろう。
更なる嫌悪が募るがこの場は抑え、校長に改めて説明することにした。
「それなら事の起こりから私が説明しますよ。タケシ、山本君だと今は上手く説明できないでしょうから」
「うん?どういう事です?」
「彼は鹿野さんの所為で今精神科に通っているんですよ。元々の加害者は鹿野さんで被害者は山本君なんです」
「「「は?」」」
その場にいた大人達は揃って呆けた顔をする。
そこで私は事の起こりから説明しました。
元々は鹿野とタケシが付き合っていたこと。
その関係は年相応の微笑ましい関係でクラスメイトは周知だったこと。
そんなある日、タケシが彼女の裏切りの現場を目撃(撮影)してしまったこと。
あまりのショックで教室へ駆け込み偶然居合わせた私の前で吐いたこと。
心配になった私が彼に付き添い自宅に上げたこと。
そこでタケシが更に吐くことになったこと。
そしてその日の内に精神科への受診を勧め、親同伴で受診したこと。
その後ショックで2日間学校を休んだこと。
学校への報告についてはデリケートな問題である為、タケシは家族と話し合い、なんとか学校へ通う事が出来るのであれば報告はしない方向で話が進んでいたこと。
そして学校へ登校し、タケシが精神を病んだ元凶である彼女へ別れを告げたことを説明した。
すると校長達の態度も軟化した。
「そんなことが・・・しかし、あの動画はやり過ぎではないかね?」
「それは彼女が望んだからですよ。
別れを告げる山本君に鹿野さんは問い詰めていました。
彼女自身のふしだらな行動が原因なのにさも山本君が悪いかのように振舞い、クラスメイトの同情を誘おうとしていました」
「しかしだね」
尚も言い募ろうとする校長に対し、私は持っていたスマホを操作して動画を見せる。
「山本君が別れを告げた日のやり取りです」
そこには別れを切り出すタケシに切れて詰め寄る鹿野の姿が映し出され、鹿野の煽りを受けその周りにいるクラスメイト達の突き刺さるような視線がタケシに向けられて行く様子も見て取れた。
「このように浮気した鹿野さんが周りを呷ってタケシに詰め寄っています。裏切られて浮気された被害者であるタケシが皆にこんな視線を向けられて、説明しろと
だからタケシは事情を説明するために動画を送ったんです。
周りを呷って巻き込んだのは鹿野さん本人で、説明を求めたのも彼女です」
「いや、それでも動画は後々残るんだから・・・」
「すでに精神科に通わざるを得ない程追い詰められている彼に彼女の行った裏切り行為を、卑猥でふしだらな行為を、大人でさえ口に出すのも憚られる様な行いをどう説明すればよかったんですか?」
「でも、皆にも送る必要は無かったんじゃない?」
担任がそう言って反論するが俺は切って捨てる。
「周りを呷って二人の話に引き入れたのは彼女です。あのままでは山本君は皆に酷い奴だと誤解されていたでしょう。
それとも先生達は精神的に追い詰められていた彼に、これ以上我慢をしろと、心を殺せと言うのですか?信じられない!」
私がそう訴えると誰も二の句が告げられない様子でした。
「とにかく、全ては彼女の自業自得です。他に何かありますか?」
そう言うと教頭が思い出したように話し始める。
「そう言えば今回の件で鹿野さんと築地さんの自宅に写真が投函されていたそうなんだが、それについてはどうなのかな?」
「私が投函しました」
「なぜそのような事を?」
「なぜ?それは問題を内々で片付けて欲しかったからですが?」
本当はこちらも記憶媒体で投函したかったが、如何せん中学生のお財布事情ではどうすることも出来なかった。
「どういう事かな?」
「私は封筒に写真と一緒にメモを添えさせて頂いているのですが、ご存じないですか?」
「いや、聞いていないが・・・」
「メモにはこう書きました。
お宅の娘さん(息子さん)は学校でこのような行為に及んでいます。
私たち学生の学び舎で行うべき行為ではありません。
公共の場で猥褻な行為は犯罪です。
どうかご家庭内でのご教育をよろしくお願いいたします。
と一文を添えています」
「・・・因みに、なぜ写真を?」
「言葉だけでは信用されないと思いました。
何せあんな行為を公共の場で平然と行う子供の親なので証拠となるものを添付しました」
私の答えに教師達が頭を抱えているが、私の知ったことではありません。
「質問が無いのであれば失礼してもよろしいでしょうか?」
「ま、待って、なんで先生に相談してくれなかったのかな?」
「設楽先生?」
「せめて担任である私に相談してくれたら・・・」
「先生、あなた以前生徒が恋愛相談したのに適当に答えてましたよね?
たしか『そんなの時間が経てば問題なくなるわ』とか『時間が経てば自然と癒えるから大丈夫』とか言って真面に取り合ってませんでしたよね?そんな教師に何を相談するんです?」
私の返答に担任が絶句し、他の大人がジト目で担任を見詰める。
「今回、悪いのは鹿野さんと築地君であって私達ではないと言う事を先生達には理解してもらいたいのですが、どうですか?」
そう言うと大人の視線が一斉にこちらを向く。
「そ、そうだね、やり方は多少間違えたかもしれないが、概ね状況は理解したよ」
「それでは失礼しても?」
「あ、あぁ、協力してくれてありがとう」
「では失礼します。山本君、行こう」
大人達に向かって一礼すると校長室を退室した。
その後、私とタケシは軽い注意を受けたが停学や何かしらの処分を受ける事はなかった。
その代わりと言っては何だが、鹿野とカツオには学校内での不純異性交遊が問題視され停学を言い渡されていた。
動画に関しても担任設楽の呼びかけで削除が速やかに行われたようで(多分男子と一部の女生徒は別機器に保存済だろう)大きな問題とはならなかったようだ。
まぁ、将来的にどこかで流出したとしても私は知らぬ存ぜぬを貫くだけ。
そして鹿野とカツオは何度か学校に姿を現したが「あー、今日はビッチモンキーが来たのか、最悪」とか「ゲスモンキーが来やがった、キモイ~」等、陰口を叩かれると震えて教室から出て行った。
そして暫くすると完全に登校拒否になり、学校に来なくなった。
そんなある日、担任が教室であるお願いをした。
「みんな、鹿野さんと築地君なんだけど、同じクラスの仲間なんだし、仲良くしてもらえないかな?」
その言葉にクラスが静まり返ると、一人の女生徒が立ち上がって返事をした。
「先生、あいつらは仲間じゃありません。偶々同じ組に入れられた他人で私の人生に関わってほしくない人達です」
「な?!」
絶句する担任、設楽先生。すると女生徒の意見に賛同する声が次々と上がる。
「な、なんでそんなこと言うのかな?」
「だって、簡単に人を裏切れる人達とは関わり合いたくないでしょ?」
「た、確かに彼女達は過ちを犯したけど・・・」
なんとか反論しようとするが、その言葉は遮られる。
「先生ー、浮気や不倫って許される事なんですか?」
「え?」
「もし先生の旦那さんが浮気して、しかもそれがよりにもよって音楽の金森先生とだったらどう思います?」
※ 因みに金森先生(24)は黒髪ロングの清楚系のとても若くて美人な先生だ。なお性格は不明。
そう言われてギクリとする担任設楽。と言うか、結婚してたんだ?全く興味なかったから知らなかった。
担任設楽は思わず反射で『そんなことがあったら慰謝料請求するしー、離婚するしー。そんな職場に居られないしー、退職だってするしー』なんて言いそうになる。
そんな担任設楽の表情を読んだのか、女生徒は続ける。
「先生も私等と同じじゃんねー。先生たち大人は仕事辞めれば良いけど、私等はどこにも逃げ場ないんだよ~?あんなもん見せられてぇ、クラスの雰囲気ぶち壊されてぇ、それでもここに居なきゃいけない私等の方がよっぽどヒドイ目に遭ってると思うんですけどぉ~その辺どう考えてるんですかぁ?」
そう言われて担任設楽は言葉が返せなかった。
それ以降、中学卒業まで鹿野とカツオの話題が学校で上る事は無かった。
そして私が出した結論。
『恋愛に時間を割くのは時間の無駄』である。
浮気一つで人間関係は崩壊し、関わった者の精神を大きく病ませ生活そのものを破壊する邪悪の根源。
好意は一時の気の迷い。
それに振り回されないのが一番。
こうして色々と思い悩んだ挙句、私は『恋愛否定論者』になった。
※ 性欲に関しては否定はしていない。ここ重要。
因みに鹿野とカツオのその後だが、鹿野は中学卒業まで引き篭もり、県外の高校を受験するも失敗。
高校は定時制の高校へなんとか進学したそうな。
そしてご両親は彼女の所業について罪の擦り付け合いや言い争いが絶えなくなり、近所でも悪い意味で評判の家庭となってしまい、その後もなんだかんだとイザコザが絶えないらしい。
序でに言うと私が社会人となって初めて風俗(隣県)へ・・・と向かった先で見た最初で最後の嬢が彼女。写真加工ってヤバいね。原型わかんないよ。
とても気不味い思いをしながら近況を聞いたら高校卒業直後に家から追い出されたとの事で手っ取り早く金を稼ぐために嬢になったとのこと。
もうね、気不味過ぎて何もせずに退室しましたよ。
そして二度と風俗へ行こうとは思わなくなったのは悲しい
自家発電最高!(泣)
次にカツオは同じように引き籠りになったんだが、可哀そうなのはカツオの妹だった。
彼女は中学入学後にカツオの悪行が災いしていじめの対象に。
そして彼女も漏れなくカツオと同じ引き篭もりにジョブチェンジ。
兄妹そろって引き篭もりなもんで隣家は毎夜大騒ぎで大乱○スマッ○ュブラ○ーズも真っ青ですよ。
更に不運は続き、カツオの両親が経営する飲食店も潰れてしまいました。
どうもカツオのやらかしが世間様に広がったようで客足が遠のいたのが主な原因らしい。
お陰で店が潰れる前後はお隣から更にヒートアップした罵り合いが続き大迷惑したものです。
まぁ、それも暫くすると両親が離婚して一家離散。
隣家もいつの間にか空き家になって静かになりました。
そんな感じで浮気カップルは家族諸共大惨事。
あ、被害者のタケシは暫く精神科へと通っていたけど何とか立ち直りました。
ただ、女性不信は中々拭えないみたいなんだけど、それでも彼女が欲しいからと婚活を続けると言う涙ぐましい努力をしています。
そんな感じで浮気の加害者と被害者共に幸せとは遠い世界で生きています。
あ、因みにカツオとは幼馴染ではあるけど仲はそんなに良くないよ?
現実では幼馴染だからって仲がいいとは限らないんだ。
これホントの話ね。
こうして私は恋愛否定論者となりました。
『恋愛否定論者』最高!
てか、『恋愛否定論者』しか勝たん!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます