第12話 幼馴染を守りたくて。
⬛︎
嵐が吹き荒れる魔法学院にて、メリナの動きが静止した。
(リリアーネが何か企んでいる。バカか? お前を奴隷にしたのは私の魔法だ。勝ち目は無い……いや、誰かの入れ知恵か?)
刹那、メリナは天に昇る光の柱を目にした。
何者かによって、轟音と共に光の柱が天に向かって射出されていた。
(天候操作の魔法……!? この魔法学院程度の技術で、ここまで高度な魔法を使える奴がいるのか……?)
雷雨が収まり、再び太陽の光が辺りを照らした。
「リア! 走れ!」
どこからか、リリアーネの声が聞こえる。
同時にフードを深く被り、顔を隠した人間がメリナに向かって走り出した。
(こいつら何がしたい? 奇襲をかけるなら天候を変える理由が無い……)
「まあ良い。再起不能にしてやる……」
《
《
メリナは生み出した剣を高速で振り下ろした。
剣は奇襲をかけた人間の頭部に命中。
フードを切り裂き、頭部をも断裂させた。
鮮血が吹き出し、メリナの身体が紅く染まる。
「は!? 防御魔法をかけていないのか……いや、これは魔法で作り出された分体か!」
リリアーネは、メリナに血が付着したことを確認すると、合図を送るように叫んだ。
「リア! いける!」
「オーケー。ナイスだよ、リリアーネ。ボクと名前が似てるだけあるね!」
どこからともなく姿を現したリアは、メリナの前に立ち、一言呟いた。
「爆ぜろ」
リアがそう発した瞬間、メリナの身体が爆発した。
鼓膜が破れる程の轟音。
辺り一面に黒煙が広がる。
「……今のは少し焦ったな」
黒煙が収まり、周囲を見渡せるようになった頃、メリナが姿を見せた。
爆発の中心にいたとは思えぬほど綺麗な身体をしていた。
「あれで、かすり傷すら無しって……やっぱり、あの時の怪物ね」
「人を怪物呼ばわりか、酷いじゃないか」
リアは次第に怒りを露わにし、言葉が荒くなっていく。
「あんたは怪物よ。《ボクの村を滅ぼした》》最低な怪物……!」
「なんだそれは。言いがかりだな」
メリナは気にせず発したが、リアは更に激昂する。
「さらに、ボクのレイを奪った、クソ女だッ……!
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