落ちこぼれ魔法使いの学院革命記 〜冤罪で村を追い出されたけど、幼馴染の女の子を守りたくて魔法を極めてたら世界最強の魔法使いになりました〜
木崎ユウメ
前編
第1話 無慈悲な迫害
「……けて」
何か、人の声が聞こえる。女の人の声だろうか。
「……けてッ!」
何だ? 上手く聞き取れない……。
「助けて!!」
ーーーーー
「うわぁぁッ……!」
俺はベッドの上にいた。
辺りを見回すも、人なんて居ないし、声も聞こえない。
……夢か。嫌な夢を見た……。
「レイくーん!!」
家の外から小さな女の子の声が聞こえて来る。
この声の主は、俺の幼馴染にして、友達のリアだ。
そして、レイというのは俺の名前だ。
「寝てるのー? 今日はやんないのー?」
しまった! 俺としたことが寝坊なんてッ!
「悪い! 今行くー!」
どったんばったん、自分で自覚する程慌ただしく身支度をして、俺は急いで家を飛び出した。
一緒に暮らしてくれている、じいちゃんへの挨拶も忘れない。
「……行ってくるね、じいちゃん」
「おう、あんまり遅くなるなよ」
「うん」
俺は今じいちゃんと二人暮らしをしている。
両親は、俺が物心つく前に、魔物に殺されてしまったらしい。じいちゃん曰く、有名な魔法使いだったらしい。俺はもう顔も思い出せない。
でも、今はリアも、じいちゃんもいる。
寂しくは無い。
家の前に出ると、リアが出迎えてくれた。
「もー! 遅いよー」
「悪い悪い、あまりに天気が良くて、つい寝過ぎてしまって」
「……」
「……行きましょうか」
俺達はリアの家の庭に移動した。
リアは名家の生まれらしく、俺達の村の中では一番大きい家に住んでいる。
「じゃあ早速始めようー!」
リアは楽しげな声でそう言った。
俺達は、《魔法》の練習を始めるのだ。
一ヶ月前、俺がじいちゃんの部屋で見つけた《魔法の書》がキッカケだった。
すぐにリアに知らせた。
すると、彼女はこう言った。
「私達が魔法を使える様になれば、私達だけの力で魔物を倒せるかも知れないよっ!」
一般人では、とても敵わない存在、魔物。
魔法使いになれば、魔物を殺すことが出来る。
俺とリアはわ村の仕事の合間を縫って、毎日魔法の練習をしている。
「そろそろ
「危なくないか?」
「じゃあ何の為に水魔法を覚えたっていうのよー」
「あー、そっか……。でも、万が一って事もあるしさ」
「大丈夫大丈夫、燃えるのは私の家だけだから!」
全然大丈夫じゃないんだけど。
「よーし! えーっと? ……こうかな?」
リアは両手を前に《
リアの手の辺りが赤く輝き出し、突如として——
《
炎の球が、浮かび上がった。
「やったやった! 出来た!」
「わああ危ない危ない!」
俺は
魔法で消してもいいが、《
今のところ、実用性はほぼゼロ。
「じゃあもう一回やってみる!」
「……ひぃぃ」
ーーーーー
「レイくん。そろそろご飯にしよう?」
「そうだね。……あ、お弁当持ってくるの忘れた。ちょっと取り入ってくるね」
「うん」
俺は走って家まで戻る。
じいちゃんは毎日お弁当を作ってくれている。
俺ももう十歳なのだから、自分で作ると言っているが、頑なに聞かない。幼い頃に口にする物は、将来に影響するとかなんとか……。
「ごめんじいちゃん! 弁当忘れたから取りにきた」
「おう、そこにあるから持ってけ」
「うんー」
お弁当を持って、走ってリアの家に戻った。
大体十分くらいで終わる動き。
その間に何が起こったのか、リアの家は
「……え?」
「……そうだ、リアは……? どこへ行ったんだ……?」
庭にリアの姿は無い。
「……まさか、嘘だろ……リアッ……」
異変に気が付いたのか、大人達が駆け寄って来る。
「なッ! おい! 火事だ!! 水魔法を使える奴いるか!! 何でもいい、早く火を消さないと!!」
「中に人がいるかも知れない!!」
「この状況じゃ無理だ!! 俺達まで巻き添えだ!」
「と、とにかく火を消すんだ!!」
その後、火は消えたが、建物は倒壊し、元のリアの家は見る影も無くなってしまった。
すると、リアの両親が、駆けつけてきたようだ。
「リアは……リアは無事なのか!?」
「……そ、それが見つからなくて……恐らくは、もう——」
「そんな筈は無い!! こんな大きな火事が起こればすぐに気付く筈なんだ!! 逃げないなんて事があるかッ!?」
「ですが……」
「……ッ!?」
リアの父は頭を抱え、その場に崩れ落ちた。
母親も父親を
ふと、リアの父親と、俺の目が合った。
「……まさか、お前か? レイ、確かお前、リアと魔法の練習をしてるんだったよな? そろそろ火魔法を使えてもおかしくないんじゃないか?」
確かに、リアは火魔法を使えたが、家を全焼させる程の魔法なんて使える訳が無い。
「それに、お前のような底辺の存在が、名家であるリアに対して嫉妬していたのではないか!? そうに違いない! 身分の違いも分からない愚か者が!」
「な、なんで俺がそんなこと……」
「とぼけるなッ! お前以外に火事が起こる理由は存在しないんだ!」
「……ち、違うっ、俺が家に戻ってる間に、もう火が……」
「黙れ! この村から出ていけ! 愚民が! 魔物に喰われて死ねばよいのだ……」
「そ、そんな……だ、誰か俺が何もして無いって、証明してくれる人は、いないの……?」
「……」
誰も、俺を庇う人は居なかった。
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