【第1部 完】【続編 kindleにて書籍化】リーガルガールーまどか💛のやり方ー
鏡 恭二
第1話 弁護士 勝又まどか💛の快進撃
ここはとある地方裁判所。
静かだった住宅街の中、佐藤家と黒岩家の土地の境界と日照権を巡る民事裁判が開かれている。
原告・佐藤さんは40代の主婦。
2人の息子を育てながらパートに励み、夫のローンで手に入れた念願の一軒家で暮らしている。
佐藤「祖母の代から住んでいて、静かで日当たりも良かったんです。でも黒岩さんが突然、すごくおしゃれな家を建てて……それで、洗濯物が全然乾かなくなったんです!」
そう主張する佐藤さんの代理人は、大手・ハイアット法律事務所の田所和也弁護士。
人に寄り添うことで評判の、丁寧な弁護士だ。
田所「お話は伺っています。ご安心ください。黒岩さん側も話し合いには応じています。証人尋問を終えれば、この裁判も終わります。」
佐藤さんは安堵した。ここまでにかかった時間は、実に2年半。長い戦いだった。
田所(相手は弱小個人事務所。勝又恭二は熱血だけで論理に欠ける。これで示談金は1億……報酬7割で7000万!よし、もらった!)
だが、法廷のドアが開いた瞬間、そこに立っていたのは見知らぬ女性弁護士だった。
鋭い眼差し、大きな瞳。モデルのようなスタイルにミニスカート。
弁論席で化粧直しをしているその姿に、田所は思わず凍りついた。
女「ねえ、裁判いつ始まるの?化粧崩れちゃう。終わったら恭二と勝訴パーティーするの。早くしてよね?」
裁判長は、ため口にも関わらず、にっこりと笑った。
裁判長「わかったよ、まどか君。君の化粧が整ったら始めようか、裁判を。」
田所(……えっ、まどか?まさか……!)
勝又まどか「勝又法律事務所所属、被告代理人の勝又まどかです。
担当の勝又恭二の妻でもあります。よろしくお願いします。」
そう名乗ると、まどかは一枚の紙を取り出した。
それは、家電量販店であるノジマの領収書だった。
田所(嘘だろ……あれは、佐藤さんが“洗濯物に困っていない”と打ち明けてくれたときの……!)
勝又まどか「佐藤さん、家事と育児、大変だったでしょう?それで、先日ドラム式洗濯乾燥機を購入されましたよね?これがその領収書です。」
佐藤「はい……買いました。洗濯物、外に干さなくても乾くので……」
田所(嘘だろ……なぜ認める⁉)
まどかはにっこりと笑いながら言い放つ。
まどか「つまり、日照権による被害は、実際には存在しなかったわけです。
はい裁判長。私のプレゼントです。訴えの根拠は崩れましたわね。」
裁判長「異議なし!はい、喜んで!」
田所「……質問は、ありません。」
敗訴が確定した。
裁判後、まどかは佐藤さんに紙袋を手渡す。
まどか「これ、鳩サブレー。あと、進学祝いもね。」
中には、300万円の現金。
佐藤「ありがとうございます……来年、子どもが進学で、お金が必要だったんです。」
まどか「うちで祝賀会しましょう。恭二がローストビーフとビーフストロガノフを作ってくれるわ。」
佐藤「やったー!息子が大好きなんです!」
—
勝又法律事務所、兼・勝又家。
家族と佐藤さん一家を交えての勝訴パーティーが始まった。
恭二「……なぁ、まどか。やりすぎじゃないか?倫理ギリギリだぞ。
それに、あの300万……うちに金なんかないんだぞ……」
まどか「大丈夫。勝てば、うちは回るの。私は負けない弁護士だから。」
ワインを一気に飲み干し、まどかは恭二に微笑む。
まどか「そのために、私たち――結婚したんでしょ?」
恭二「……ああ!そうだったな!よっしゃ、ビーフストロガノフできたぞー!」
—
まどか「主婦はね、大金じゃなく“小さな解決”に弱いのよ。
あなたには、それがわからなかったのね。」
—
こうして――
無敗の女弁護士・勝又まどか💛
熱血すぎる夫・勝又恭二🔥
そして、潜入調査までこなす謎の協力者……
勝又法律事務所の快進撃は、始まったばかりだった。
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