ようこそ演劇部へ〜死んだフリから始まる文化祭ギャグミステリー〜

越山あきよし

第1章 演劇部の謎企画

プロローグ

「よっし! みんな集まったな。それじゃ、始めるぞ!」

「部長、今日はなんのために集まったんですか?」

「あ? 知らねぇのか、安藤」

「はい……」


「指揮を高めるためよ。ホント、ふざけてるわよね」

「ふざけてねぇよ、あおい。俺は大真面目だ」

「なに言ってるんだか」


「わかってるとは思うが今回の企画、のために立てたものだ」

「部長、楽しみですね。ついに、この日が」

「わかってくれるか、山下」

「はい!」


「まったく、この二人は似たもの同士なんだから」

「これを機にコーヒーの素晴らしさを知ってもらわないと」

璃子りこはそればっかね」


「良い」

「マヨが楽しみだってぇ〜。私も楽しみ〜」

「毎度のことではあるけど、美緒みお、よくわかるわね」


「うぅっ――盛り上がってきたぁー!」

「おいおい、葵、お前が仕切るなよ。部長は俺だぞ」

「うっさいわね、わかってるわよ。拓海たくみ、部長なんだからビシッと決めちゃいなさい!」

「っへ! 言われるまでもねぇ」


「おい……俺のことも忘れるなよ。一応、今回、名探偵役なんだからな」

「わかってるよ」


「でも、部長、本当に大丈夫ですか?」

「安藤は心配性だな、部長に任せておけばいいんだよ」

「……山下……でも……」

「そうだぞ。俺に全部、任せておけ!」

「……部長」


「盛り上がってるとこ悪いんだけどさぁ。そろそろめてくれない? 私、もう寝たいんだけど……ふあぁ~あ」

「葵先輩、寝るの早いですね。まだ十時ですよ?」

「一応、アイドルだからね。美容とか、健康に気を使ってるのよ」


「葵が一端いっぱしのアイドル気取りとはなぁ。しかも、リーダーってんだから、わからないもんだぜ」

「うっさいわよ、拓海」


「昔はよく、男子にケンカを売って、殴り合いしてたのに変わったもんだ」

「なんですか、その話。聞きたいです」

れんが気になってるじゃない。あんたが変なこと言うから」

「いいじゃねぇか過ぎたことだ。気にするな」


「まったく……そういえば、二年女子組は今日からマヨの家で泊まりだっけ?」

「そうでぇーす」

「いいわね」


「すごいんですよ、マヨの家。豪邸です、豪邸」

「豪邸!? それはすごいわね。……私もそっちに行こうかしら?」

「葵先輩が!? ぜひっ、来てください!」


「こら、れん! ここはマヨの家よ」

「良い」

「いいってぇ~」

「こら、こら。親の許可」


「葵。めろ、締めろ言う割に自分から伸ばしてんじゃねぇよ」

「なによ。あんたがグズグズしてるからいけないんでしょうが! だいたい指揮を高めるために集まるって意味わかんないし」


「葵先輩、落ち着いてください。意味不明な行動はいつものことじゃないですか。ねぇ、美緒みお

「そうですよぉ。せっかく明日からの楽しみがあるのに部長のせいで台無しにするのはもったいないです」

「それもそうね」


「お前ら好き勝手言いやがって。……そうだ、葵」

「なによ?」

「制服着用、忘れるなよ」

「わかってるわよ」


「なんで、制服着用なんですか?」

「雰囲気が大事だからな」

「はぁ……?」


「そういえば、葵先輩。来校祭当日、五月のゴールデンウィーク初日ですけど、本業のアイドルの方は大丈夫なんですか?」

「諸事情でお休みってことにしてるわ」

「なら、大丈夫ですね」

「ええ」


「うんじゃ、締めるぞ」

「さっさとしなさい!」


「ちっ! アイツらに楽しい来校祭をプレゼントしてやろうぜ!」

『はい!』

「では、解散!」

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