第4話  催眠

「これから私は数を数えていきます。そうするとあなたの手はどんどん年齢を重ねて

いきます。どんどんどんどん年齢を重ねていきます」

「あなたお名前は」

「佐藤藍子です」

「おとしは」

「二十になります」

「21」「22」「23」「24」「25」

「まだお肌に張りがあります。適齢期ということですね」

「26」「27」「28」「29」「30」

「もう30歳です。お子さんを産むのには困難になっていきますね」

「31」「32」・・・「40」

「この歳になるとお母さんと同い年ですか?

赤切れのある貴方を育てたお母さんの手を思い出してください」

「41」・・・「50」

「もうおばさんですね。更年期です。月経もなくなってきました」

「51」・・・「65」

「わたしと同じ年です。見比べてみましょう。同じ加齢が刻まれていますね」

「65」・・・「80」

「もうしわくちゃのおばあさんです孫がいるのでしょうか?」


はたして私の手はしわくちゃになっていた。怖い・・・

それと同時に熱っぽい。頭がクラクラする。


「それでは歳を戻していきます」

「79」・・・・「20」「19」「18」

「実年齢より若くなっていきますよ。」

「17」「16」「15」・・・・「5」

「赤ちゃんの手になりましたねプヨプヨしている」


それと同時にすごい尿意も感じる。

「6」「7」「8」・・・「19」「20」

「はい、元に戻りました」

ハアハア

肩で息をしている。猛烈に眠い・・・


「すいませんご不浄を借りていいですか?」

同僚がトイレに行く許可をとった。

「かまいません、二階の奥に便所があります。

眠いでしょう・・・押し入れに布団があります。敷いておくように」

「はい・・・」

トントントン

二階に上がってしまった。

マズい

ここから出なければ・・・

玄関まで行きドアをガチャガチャする。

「鍵はかかっていませんよ。

でも鍵があるんでしょうか?」


あれあれれ「鍵」が見つからない。


「あなたもオシッコに行きたくなったの?

トイレは外にはないわよ。

二階よ」


そうだ猛烈にトイレに行きたい!

私は階段を駆け上がった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る