第1話-エピローグ


「お疲れ様、よく戻ってくれた」

 輸送機に帰還直後、隊長から声をかけられる。

「死ぬかと思いましたよ……ホントに、コイツ!」

「いててて!!」

 アインからヘッドロックをかまされ、自分から喋る事が出来ずもがいていた。

 

「やめてあげな?白雪君が大型を仕留めたから、2人でここにいるんでしょ?」

「それはわかってますけど!流石に文句の1つも言いたくなりますよ!」

 ヘッドロックの締め付けが強くなる。更に痛い。


「ごめんって!ホントにありがとう!」

「どういたしまして!」

 アインからの拘束が解かれ、割れそうな頭を抑える。

 アインは先にスーツを脱ぎに向かった。

 

「隊長もありがとうございました。まさか大型の弱点を即答されるとは思いませんでした」

「いやいや、昔の報告書だったかデータで見覚えあっただけだから」

 謙遜をしているが、自身で対峙した事があるような雰囲気を感じる。もしかしたら前線上がりの人なのかもしれない。それもかなり場数を踏んでいる、いわゆるエース級の。

 

「しかし、あの攻撃は何なの?」

 隊長がいぶかしげな顔をしながら俺に質問してきた。

「は?何のことですか?」

「ほら、大型を斬ったあの技だよ!まさかなんて、どうやって出したの?」

「…………えっ?」


 隊長曰く、横一閃の時に白色の光波が出て、それが首や鋏を斬り裂いた、ということらしい。

 あの時見えた白い光はその残り香みたいなもののようだ。



「なるほど。必死になって、使えるものは使うって気持ちで使ったら出たのか。……デム君に報告だけ入れとくね」

「お願いします」

「なーに、彼の研究意欲に火がついて、君がちょ〜っと手伝わないといけなくなるだけだから」


 ……なんだか嫌な予感がするが、一旦おいておこう。

「ともかく、五体無事で帰ってきてくれて嬉しいよ。本当にお疲れ様」

 隊長は俺の肩をパンパンと叩いて、先に戻っていった。


 

 格納庫に1人残った俺は、疲労の中、今日の出来事を振り返る。

 特務隊への入隊、配属初日に出撃、そして大型U.D.Cの撃破…………

 初日にしては大分内容の濃い1日になった。なんなら死にかけている。


 だが、これが特務隊の任務。そしてヒーローになるということ。

 簡単に自分の目指すものにはなれない。命をかけてやるべき事、やれる事をやる。

 俺自身もそうやって助けられたのだから。

 

 そう思うとこの言葉が口から出てきた。家族だけではない、あの時のヒーローにも向けて。

「……俺、頑張るよ」 

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