第42話 Who is targeting you?
ひすいが手元のタクトを振るう。部屋の奥の扉から、ストレッチャーの上に乗った、20代前半の女性の死体が運ばれてきた。
「確認しよう。この台の上に乗せられた女性は狗飼茅で間違いないかい」
菖蒲はうなずいた。テーブルの上のコーヒーはまだ暖かいが、菖蒲は口をつけていなかった。
「この女の瑰玉はチタナイト、つまりスフェーンを指す。酒川菖蒲、君の目に埋まっている石と一緒だね」
ひすい、ヨウコと共に、オレも菖蒲のほうを見る。少し俯きながら頷いていた。
「茅の瑰玉は失われ、その同じ石でできた目を持つ恋人が現れた。どうやら20年近く生きているというのに今になって魔眼を使い始めたかのようだねえ。酒川菖蒲、今、君はとても苦しいのじゃないかな。生まれつき持っていた瑰玉と後から追加した瑰玉の二つを持っていることになっているからねえ」
「瑰玉が二つって、あり得るのですか」
奏術を扱うための源とされる器官である瑰玉は、それだけでなく、心、魂に該当する性質も持って居ははずだ。そうだとすれば心が二つある、という状態なのか。それはあり得るのだろうか。
「ああ。あることにはある。ファントムクオーツがそうだな。後は、ラピスラズリも含まれる場合もあるね。今回は瑰玉だけを取り出し、眼に加工した。生まれつき魔眼が備わっていれば、咏回路もその分多いのさ。回路を移植せず、魔眼として、眼を移植した場合、その移植された方の肉体は、瑰玉からの負荷に耐えきれず、爆発するね」
オレは菖蒲を見る。顔色が青くなっているように見えた。
「ええ、じゃあ菖蒲ちゃん死んじゃうの?人体爆発的な?」
「そうだな。肉片になったら掃除して終わりだ。特に何ももらっていないしな。そもそも、酒川菖蒲、君のせいだろう。狗飼茅の魔眼を自分のモノにして、瑰玉をタチバナミナトに売り払ったのは」
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