第38話 再会
ひすいは、少女の躰を革ベルトで歯科用ユニットチェアを改造した椅子に括り付けた。
無影灯を顔に向けた際に、光の刺激で少女は目覚めた。その瞳は、緑がかった茶色をしており、瞳孔には虹色の光の分散『ファイア』が見られた。この目は
「おはよう。まだ朝早いから眠っていても問題ない。意識を手放していたほうが楽なこともあるからね」
「外してください。苦しい」
少女、酒川菖蒲は躰をよじりながら拘束を抜け出そうとしている。
「それは動かないようにしているよ。君への要件はもう済んでいるから、開放してもいいのだけれど、私個人の感情で固定させたままにしておいた。ああ、そうそう。せっかくだ。君の恋人に会わせてあげようじゃないか」
菖蒲は動きを止める。そのまま、ひすいの目を覗き込むために首を真横に曲げた。
「状況把握をするために、魔眼を発動させようとしているのかい。いじらしいね。でも経験が足りない。君の魔眼は私の右目で受け止めているからね。それ以外にもいろいろやっているから、視点を交換させてあげることはできないよ」
ひすいは部屋の奥から、ストレッチャーを転がして、菖蒲の前に置く。
「茅・・・・・」
頭蓋骨の頂点から穴をあけられ、中身が空洞になり、眼窩の落ちくぼんだ、少女の死体を前に、その恋人は言葉をなくした。
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