第12話

ルナ「脚立は1人作業禁止だからね〜」


 ルナが脚立を押さえ、三村が点検口を覗く。


三村「いつの間にか知恵つけやがって」


 トイレ呼び出しのある防災センターから、トイレの間の通路上にある点検口(天井面)を、重点的に覗いていく。

配線ルートが不明なのと、スタジオツアーの表は現在、営業中な為、捜索範囲は限られる。

もし、これで見つからなければ、やはり電気屋に配線ルートを確認してもらうしか無いだろう。

そう思った矢先、三村が叫んだ。


三村「おい、なんか青い線がひしゃげて曲がってるぞ!」


ルナ「それじゃない!?」


 三村は念の為スマホでそれを撮影し、ルナにも共有する。


ルナ「ホントだ、ネットとかで使う線っぽいね。思いっきりドアで挟んだみたいに折れちゃってる」


三村「これがネズミのかじり後なら、捕獲しねーとマズイよな」


 それを聞いて、まっかせて!となぜか自信満々に胸を叩く。


ルナ「清掃の倉庫に、ネズミ用のトラップと毒エサあるよ!ネズミの捕獲はトラップが基本ってね。あ、これビル管理の豆知識ね」


三村「気が利くな!さっそく設置しよーぜ」


 こうして、ルナが複数のトラップを天裏に設置し、数日が経過した。

それからまた三村が泊まりの日、スマホの着信が鳴った。

時刻は、夜の10時。


三村「はい、三村です」


ルナ「あ、三村兄さん。ちょっと、ヤバいんだけど、この前のネズミトラップの結果」


三村「捕獲できたか?」


ルナ「ぜーんぶ、ひっくり返されてた。毒餌も食い散らかされてて。ネズミの仕業とは思うんだけどー… めちゃくちゃ、でかいかも」


三村「でかい?…30センチくらいか?」


ルナ「そんなんじゃないよ。モンスター級。1メートル超えてるかも」


 三村がスマホを持ちながら、バカ言え!と思わず怒鳴った。

ルナがうるさっ、と反応する。


三村「わ、わりぃ。てか、嘘だろ?」


ルナ「なんかさ〜、最近巷じゃヒグマだの何だの騒いでるじゃん?色んな生き物がモンスター化してるのかもよ?」


三村「勘弁してくれよ。今日泊まりだぜ?寝れねーだろ」


ルナ「だからさ、万が一に備えて、剣の場所だけ教えとくよ」 


 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る