手記

氷解


 息も整えないままに、引き出しの中に手を突っ込む。

【DIARY】と書かれたそれを引っ張り出して、慌ててページを捲った。


 目的の場所を見つけては、それを躊躇なく破り取る。




 必要なものを集め終え、一つ安堵の息を吐いた。


 けれど休む間もなく次の作業に取り掛かる。



 破り取ったものはそれを一つとしてまとめ、もう一つ引き出しから便箋を取り出した。






(……だいじょうぶ)




 僅かに軋みそうな胸を一度押さえて、そっとペンを執った。






(……聞いて欲しいことがあるんだ)




 どうかもう一度。

 勇気を下さい。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る