『ポテチしか出せない無能』と追放された俺は、悪役ムーブ希望の転生者。なせか聖女や姫、女騎士に溺愛される生産主に!? ~無限ポテチが食糧危機を救い経済を回し、俺を追放した連中は即ザマァ~
## パート10: ポテチの影響と次なる波乱の予感
## パート10: ポテチの影響と次なる波乱の予感
自室のベッドに倒れ込み、俺はようやく一息つくことができた。
アラン達への直接ざまぁは、予想以上の成果を上げて完了した。あの絶望に染まった顔、実に愉快だった。悪役冥利に尽きるというものだ。
(さて、今日の疲れを癒すのは…やっぱりこれだよな)
俺はベッドから起き上がり、おもむろにスキルを発動する。
『無限ポテチ』。
今日の気分は、濃厚なコンソメ味をガツンと味わいたい。よし、『コンソメダブルパンチ』だ。前世で好きだったフレーバーを思い浮かべると、手元にホカホカ(?)のポテチ袋が出現した。
パリッ!
袋を開け、一枚口に放り込む。
うん、美味い! このジャンキーなまでの濃厚さがたまらない。これだよ、これ。
王宮に来てからというもの、聖女だの王女だの女騎士だのに振り回され、ポテチ配給係にされ、挙げ句の果てには(勘違いで)英雄扱いだ。ストレスが溜まる一方だったが、この瞬間だけは全てを忘れられる。俺だけの至福の時間だ。
…のはずだったのだが。
コンコンコン!
「リクトー? いるー?」
扉の外から、やけに上機嫌なエリザベスの声が聞こえる。しかもノックがやけに軽い。
(うわ…来たよ…)
俺は内心で舌打ちしつつ、しぶしぶ扉を開けた。
「なんでしょうか、王女殿下…」
「まあ! やっぱりポテチ食べてたのね! いい匂い!」
エリザベスは俺の手にあるコンソメダブルパンチの袋をキラキラした目で見ている。
「それでね、リクト! あなたの今日の活躍、父上にも報告しておいたわ!」
「は? 国王陛下に!?」
なんでそんなことまで報告するんだよ! しかも絶対、面白おかしく脚色してるだろ!
「ええ! そしたら父上も、あなたのポテチにものすごく興味を持たれてね。『次の祝賀会で、その『奇跡の菓子』とやらを試してみたい』なんて言い出しちゃって!」
「しゅ、祝賀会!?」
待て待て待て! 事態がとんでもない方向に進んでないか!?
王宮の公式行事でポテチが振る舞われる? そんなことになったら、俺はどうなるんだ!?
「それとね、これだけ王宮で人気が出ちゃったから、そろそろ本格的に『生産体制』を考えないといけないんじゃないかって、父上と話してたのよ。あなた一人に作らせるのも限界があるでしょう?」
「生産体制…って、俺以外に作れるわけないんですが…」
俺のスキルは『無限ポテチ』だぞ? 工場で作るようなものじゃない。
「あら、そこはそれ、あなたのスキルを解析するとか、何か方法はあるかもしれないじゃない? 宮廷魔術師たちに研究させてみる価値はあるわ!」
「スキル解析!? やめてください!」
冗談じゃない! 俺の唯一無二(?)のスキルが解析されてたまるか! しかも、どうせ解析したって「ただポテチを出すだけのスキル」だとしか分からないだろうし。
俺が必死に抵抗していると、廊下の向こうからセレスティアとブリジットもやってきた。
「まあ、リクト様! エリザベス様と何を…あら、そのポテチは…コンソメ味ですわね!」
「リクト殿。国王陛下がポテチに興味を持たれたと聞いたが、本当か?」
ああ、もう情報が回るのが早い!
「聖騎士様の素晴らしい力が、陛下にも認められたのですね! 喜ばしいことですわ!」
「うむ。これでポテチの安定供給が見込めるなら、騎士団の士気もさらに上がるだろう」
(お前ら、揃いも揃って能天気な…!)
俺は頭を抱えたくなった。
ざまぁが終わって、ようやく平穏が訪れるかと思いきや、ポテチが原因で、事態はさらに面倒な方向に進んでいる。国王からの注目、公式行事での提供、生産体制の検討、スキル解析の可能性…。
(勘弁してくれよ…俺はただ、悪役やりながらポテチ食ってたいだけなんだって…)
その時、ふと、エリザベスが窓の外を見ながら呟いた。
「それにしても…最近、王宮の周りを嗅ぎ回る輩が増えた気がするのよね。あなたのポテチの噂を聞きつけた、どこかの貴族か、あるいは…他国の密偵かしら?」
その言葉に、俺はドキリとした。
他国の密偵?
ポテチを狙って?
まさかとは思うが、この世界の食文化レベルの低さと、俺のポテチが(勘違いで)もたらす「力」の噂を考えれば、ありえない話ではないのかもしれない。
(ざまぁが終わったと思ったら、今度は国際問題か…?)
俺は自分のコンソメダブルパンチの袋を、思わずぎゅっと握りしめた。
もはや、俺の『無限ポテチ』スキルは、俺個人の楽しみの範疇を完全に超えて、国家レベルの注目を集める代物になりつつあるのかもしれない。
平穏な悪役ライフは、どうやらまだまだ遠いようだ。
どころか、これからさらに大きな騒動に巻き込まれていく予感しかしない。
俺は、ヒロイン達の能天気な会話を聞きながら、これから先のことを考えて、深くて長いため息をつくしかなかった。
ポテチの香りが、なんだかやけに物騒に感じられた。
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