『ポテチしか出せない無能』と追放された俺は、悪役ムーブ希望の転生者。なせか聖女や姫、女騎士に溺愛される生産主に!? ~無限ポテチが食糧危機を救い経済を回し、俺を追放した連中は即ザマァ~
パート1: ポテチしか出せない無能はクビだ!
『ポテチしか出せない無能』と追放された俺は、悪役ムーブ希望の転生者。なせか聖女や姫、女騎士に溺愛される生産主に!? ~無限ポテチが食糧危機を救い経済を回し、俺を追放した連中は即ザマァ~
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第1章:無能と追放、そして聖女はポテチに跪く
パート1: ポテチしか出せない無能はクビだ!
どんよりとした曇り空の下、俺たちB級冒険者パーティー『蒼き流星』は、今日のダンジョン攻略を終えて街への帰路についていた。
雰囲気は、最悪。
リーダーで幼馴染のアランのイライラが、パーティー全体に伝染している感じだ。
「チッ……またゴブリン相手にてこずりやがって。今日の稼ぎも微妙じゃねえか!」
先頭を歩くアランが、吐き捨てるように言った。
その鋭い視線が、俺――リクトに向けられる。
またかよ。内心でため息をつく。
「おい、リクト! てめぇだよ、てめぇ!」
アランが立ち止まり、俺を指差す。
後ろを歩いていた魔術師のメイと斥候のカイルも、びくりと肩を震わせて足を止めた。
「今日の不手際、てめぇのせいだからな! ゴブリン相手にモタモタしやがって! 戦闘じゃ何の役にも立たねえくせに!」
「……」
俺は何も言い返さない。
言い返したところで、この幼馴染は聞く耳を持たない。最近は特にそうだ。
「そもそも、お前のスキルは何なんだよ! 『無限ポテチ』? ふざけてんのか! 戦闘でポテチ出してどうすんだよ、ええ!?」
アランの怒声が響く。
そう、俺のスキルは『無限ポテチ』。
鑑定結果は最低のFランク。用途不明、戦闘不向き。このスキル至上主義の世界では、役立たずの烙印を押されるのも無理はない。
(まぁ、転生者の俺にとっては、このポテチが唯一の前世の癒やしなんだが……。この世界のメシ、マズすぎるし)
前世の記憶を持つ俺は、内心でぼやく。
この世界の食文化は致命的に貧しい。塩や香辛料は貴重品で、庶民の口に入るのは味気ない芋や硬いパンばかり。だから、俺の出す様々なフレーバーのポテチは、個人的には至高の食べ物なのだ。
もちろん、そんなことはこいつらには理解できない。
「アランの言う通りだよ、リクトさん」
後ろから、メイがおずおずと言った。
「ポテチだけじゃ、戦闘の役には……」
「そうそう! 俺たちが前線で戦ってる間、リクトは後ろで荷物持ちかポテチ食ってるだけだもんな!」
カイルも便乗してくる。
こいつら……。
まあ、いいけど。
アランは満足そうに頷き、そして決定的な言葉を口にした。
「もう我慢ならねぇ! リクト、お前は今日限りでクビだ!」
クビ、か。
「ポテチしか出せないお前のスキルは戦闘じゃ役に立たない! 足手まといなんだよ! 分かったか!」
アランは勝ち誇ったように俺を見下ろす。
メイとカイルは、少し気まずそうに視線を逸らした。
(なるほどな。追放、ね……)
俺は内心で呟く。
悪役志望の転生者としては、むしろ好都合かもしれない。
しがらみが無くなって、自由に動ける。
「……分かった」
俺は感情を殺した声で、短く答えた。
「ちっ、反省の色もなしかよ。まあいい。さっさと荷物をまとめて出てけ! 金は今日の分までだ!」
アランはそう言い捨てると、メイとカイルを促して先に歩き出した。
俺は一人、その場に取り残される。
(さて、と……)
追放されちまったな。
幼馴染に裏切られ、仲間にも見捨てられた。
普通の奴なら絶望するところだろう。
(だが、俺は違う)
俺は口の端に、微かな笑みを浮かべた。
(悪役ロールプレイの始まりだ。まずは……そうだな)
俺は懐から、おもむろに袋を取り出す。
シャカシャカと軽い音を立てて、中身を手のひらに出した。
(今日の気分は……やっぱり、うすしおだな)
カリッ、と小気味よい音を立てて、ポテチを一枚口に放り込む。
うん、安定の美味さだ。
これからどうするか。
とりあえず、宿を探して、腹ごしらえでもするか。
悪役としての第一歩は、まず腹を満たすことからだ。
俺はポテチを齧りながら、ゆっくりと街へ向かって歩き出した。
アラン達とは逆の方向へ。
自由になった解放感と、これから始まるであろう波乱への期待感を胸に秘めて。
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