中川 澄子(なかがわ・すみこ)
[log] 1949/08/03 06:12:00
誕生。新潟県長岡市。
長男・次男に続く待望の“おんなの子”。
父は戦地から戻ったばかり、母の手は荒れていた。
> assign.name: 中川 澄子
> siblings: 兄×2、妹×1(のち)
[log] 1956/04/01 07:45:00
小学校入学。
兄たちにくっついて通学。新しい教科書のにおい。
給食の脱脂粉乳が苦手だった。
> dream: ピアノの先生
> hobby: 折り紙と読書
[log] 1964/10/10 09:00:00
東京オリンピックの日。
妹と手をつないで白黒テレビの前。
「世界はどんどん進んでいくんだな」と兄がつぶやく。
> awareness: world.beyond.local
> confidence: budding
[log] 1967/04/01 08:05:00
高校卒業、地元の銀行に就職。
制服を着て通勤。初任給で両親に湯呑みを買った。
「澄子も一人前だな」と父が言った。
> job.title: 窓口業務
> independence: level.1
[log] 1973/10/28 11:44:00
見合い結婚。相手は新潟市の印刷会社勤務・田島明。
「静かだけど、まっすぐな人」。
兄たちがやたら厳しかったが、妹は泣いて喜んだ。
> marriage: registered
> new_name: 田島 澄子
[log] 1975/09/02 03:11:00
長男・和也誕生。
抱いた瞬間、「私も母になったんだ」と震えた。
その夜、明が静かに背中をさすってくれた。
> motherhood: installed
> sleep: -75%
[log] 1979/06/25 05:58:00
次男・隼人誕生。
ふたりの息子は、性格も好みも真逆。
でも、どっちも同じだけ可愛い。
> house.noise_level = chaos
> love = multiplied
[log] 1993/04/08 09:20:00
和也、東京の大学へ。
朝ごはんに味噌汁だけ残った。
「ちゃんと食べてるのかな…」とつぶやく。
> nest: half_empty
> mother.flag: always_on
[log] 2001/11/03 13:00:00
夫・明、還暦祝い。
「静かに暮らせてるのは、お前のおかげだ」
そう言って手を握られた。若い頃より、うれしかった。
> marriage.status = matured
> heart: full
[log] 2010/03/10 06:30:00
初孫・陽翔(はると)誕生。
「いらっしゃい」って言った瞬間、涙が止まらなかった。
抱く腕の感覚、30年前のままだった。
> role += grandma
> memory.resonance: YES
[log] 2024/06/15 15:05:00
澄子、老健施設にて静かに眠るように永眠。
壁に飾られた写真は、和也・隼人・陽翔に囲まれて笑う一枚。
> process.shutdown
> age: 75
> legacy: warm
[log] 最終出力:
「家族がいるって、ほんとうに幸せなことでした。」
> archive: /lifetime/tajima_sumiko.log
> power.off(でも、台所には澄子の匂いがまだ残っている)
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