第21話:若ぇのの師匠は召喚獣たち

村の静けさと不穏な気配


ハイパーガーディアンの一撃によって、ハーデスと闇の帝王が撤退してから数日。村には再び静けさが戻っていた。


グレンは木陰に寝そべり、かじりかけの尻肉を片手に「あぁ〜、やっとこさ隠居に一歩近づいたか……」と呟く。

村人たちは「グレン殿のおかげだ!」と口々に感謝するものの、森の奥から漂う不穏な気配にざわつき始めていた。


その時、森の奥から低いうなり声が響き、続いて「闇の魔獣」が姿を現す。そして空から雷鳴と共に「雷霆の使者」が舞い降りた。

いずれも、ハーデスと闇の帝王が放った分身にほかならない。


二体はグレンを無視するかのように村の家屋を破壊し始め、「グレン、出てこい!」と挑発する。

村人たちは「まただ! グレン殿、助けてくれ〜!」と叫びながら、寝そべるグレンの背後に逃げ込んだ。


だがグレンはあくびをひとつ。「めんどくせぇ……お前らで何とかしろよ」と投げやりな調子で応じた。


リクとエリナの決意


その時、リクが剣を手に立ち上がる。


「俺、おじさんに弟子入りしたいって言ったよな。今度は俺の力で守ってみせる!」


エリナも杖を握りしめる。「私も一人立ちしたい。おじさんのアドバイス通り、生き残るだけじゃない、勝つんだ!」


グレンは尻肉をかじりながら目を閉じる。「勝手にやれ……」


だがリクが食い下がる。「なぁ、おじさん! 俺を強くするアドバイスくれよ!」


グレンは片目を開け、あきれたようにぼやく。


「んだよ、めんどくせぇなぁ……ガーディアンでもぶっ倒してから出直してこい、な? それで文句ねぇだろ?」


「えっ!?」とリクが面食らう中、エリナも言葉を続けた。


「私にも何かアドバイスを!」


「メデューサに勝っとけ、以上! こちとらいちいち細けぇ指導なんざ、ねぇんだよ、やるかやられるかだろが」


あまりに投げやりな助言に、二人は「マジか……」と顔を見合わせるが、すぐに「よし、やるしかない!」と決意を固めた。



リクの特訓


リクは酒場の前に立つガーディアンの背後へと歩み寄る。「うぉーー!お前を倒す!」と叫び、恐る恐る剣を振り下ろした。


カチーン!……


だが、スパンコールドレスを身にまとうガーディアンはキラキラと光を反射させながら、まるで気づかないかのように無反応だった。


「な、何!?」


呆然とするリクに、ガーディアンは無言で首を振ると、指をパチンと鳴らす。すると最弱のゴーレムが「ゴゴ……」と現れた。


「うおお、こいつならいける!」


気合いを入れたリクが剣を振ると、ゴーレムは一撃で粉砕された。「次だ!」と叫ぶと、ガーディアンはそれより少し強めのゴーレムを召喚。


リクは「うおおおお!」と連戦を重ね、汗だくになりながら剣技を磨いていく。

応援する村人たちの声が響く中、グレンは木陰で寝転びながら呟いた。


「はっ……ガーディアンには程遠ぇな、ま、最初にしちゃ悪かねぇけどよ……」



エリナの特訓


一方、エリナはメデューサとの一騎打ちに挑んでいた。


「勝つよ!」


「ファイアストーム!」と炎を放つが、メデューサは「♪効かないよ〜♪」と軽やかに歌いながら避け、まったくダメージを受けない。


「えっ……!?」


驚くエリナに、メデューサが「♪石になれ!♪」と蛇髪を揺らしながら魔眼を放つ。


「絶対見ない!」


エリナは目を閉じて逃げながら、「ウインドカッター!」と風の刃を放つが、それも届かない。


「見ないで戦うなんて無理……!」


焦るエリナをよそに、メデューサは「♪やるじゃない♪」と楽しげに追い回す。


エリナは感覚を頼りに魔法を撃ち、「サンダーボルト!」と雷を放つ。メデューサは「♪おっと♪」と軽やかに避けるが、精度は徐々に上がっていく。


そして、壁際に追い詰められたエリナが転がりながら放った「ウインドカッター」が、ついにメデューサの髪の蛇の一本に直撃!


「グワー!」と悲鳴を上げる蛇。メデューサは「♪油断したわー♪」と少し切なげな歌を口ずさんだ。


グレンは尻肉をかじりつつ、「そうそう、逃げ回るだけじゃ勝てねぇぞ」と見守っていた。



実戦での成長


特訓を終えたリクとエリナが村に戻ると、「闇の魔獣」が咆哮を上げながら突進し、「雷霆の使者」が空中から雷を放ってくる。


「俺が行く!」


リクが剣を構え、魔獣の爪を冷静に見切って回避。

「動きを読んだぞ!」と叫び、鱗の隙間を狙って剣を突き立てる。


「グオオ!」と魔獣が暴れるも、リクは怯まず連続攻撃を仕掛け、ついには足を狙って動きを封じた。


しかし魔獣の尻尾が唸りを上げ、リクが「うわっ!」と吹き飛ばされて地面を転がる。


「リク、私が援護する!」


エリナが目を閉じて「アイスストーム!」と唱える。渦巻く冷気が「雷霆の使者」の雷を凍らせた。


「キィィ!」と叫ぶ使者は雷を増幅させて凍結を打ち破ろうとする。


「効いてる……でも、強い!」


エリナが焦りながら「ファイアブラスト!」と放つも、地面を割る雷の反撃に「きゃっ!」とよろめく。


「くそっ、強すぎる!」


リクが歯噛みする中、グレンの声が聞こえてくる。


「お前ら、特訓の成果を出せよ……」


「そうだ、冷静に……!」


リクが立ち上がり、エリナに叫ぶ。「援護頼む!」


「うん、行くよ!」


エリナが杖を振り、「ブリザードチェイン!」と唱える。

氷の鎖が「闇の魔獣」の足を絡め取り、ガチガチに凍らせた。


「今だ!」


リクが飛び出し、剣で凍った足を打ち砕く。魔獣は「グオオオ……!」と叫び、崩れ落ちた。


続けてエリナが「サンダーストライク!」と雷撃を放ち、「雷霆の使者」を一瞬停止させる。


リクが「うおおお!」と叫びながら剣を振り上げ、使者の核を貫いた。


「キィィ……!」と最後の叫びを残し、使者は雷と共に消滅。戦場には静けさが戻った。



師匠の評価と騒がしい結末


「どうだ、おじさん! 俺たちの力!」


得意げなリクに、グレンは寝そべったまま応じる。


「へっ、やるじゃねぇか。ま、ガーディアン倒すまでは弟子だなんて口が裂けても言えねぇがな。ちったぁ見れるようになったぜ」


エリナが控えめに言う。「私、メデューサには勝てなかったけど……」


「ふん、逃げるだけでも上等よ。あとはテメェで殴る覚悟ができたら、一人前ってこった」


そこへ、マリッサが飛び出してくる。


「私ならグレンのグレンをもっと1人前に成長させるわよ♡」


「うおっ、出たなバケモン女! オレに構うなっつってんだろが、若ぇのに言い寄ってろや、くそっ……!」


グレンがじたばたする中、リクが笑う。


「助けてやるよ、おじさん!」


エリナも「私も魔法で!」と加わるが、マリッサはどうやっても離れない。


ガーディアンが首を振って「面倒くせぇ」と呟いて、村は再び、騒がしい笑い声に包まれた。

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