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第18話
クラスに戻りたくない。
たったひとせき。
1席前の距離がもどかしい。
ああ、先週に戻ってくれたら隣に座れていたのに。
無常にも時計は針を進めていく。
席替えという名のときの悪戯は。
くじ引きは私達に1席分の距離を与えた。
この距離が寂しくてもどかしい。
チョークの音はまた餌を撒くように再開した。
君の背中をジッと凝視しても穴があくどころか気づかれもしないだろう。
そう高をくくって諦めていたのに。
君が不意に振り向いて。
また驚いた。
ねぇ、その私に向ける瞳に浮かぶ愛おしさは。
君にとってどんな意味をもってるの。
問いたくて。
問えなくて。
もういっそ、そんなものすっ飛ばして
_______好きだって言ってよ。
なんて言えないから。
代わりに、『”まえむけ”』なんて。
口パクで言った。
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