幕間 運命の環に導かれ
26.狂気の愛は運命を繋ぐ
〜???side〜
…
──何だかね、すっごく嫌な予感がしたの。
だから、全力で走ったんだ。
私、運動はそんなに得意じゃないのに、その時だけはものすごいスピードが出た。
運命の糸にぐいぐいと引っ張られるような感覚が、私の足をどんどん回転させた。
……でも、それはあの瞬間。ぷつんと切れて、消えてった。
「ぁ、え……おにい、ちゃん?」
──私がそこに辿り着いた時、最愛のその人はもう、紅い華の中に沈んでいた。
ぐったりと横たわるその姿を、私はしばらく呆然と見つめた。
それから一分もしない内に、赤い光と耳障りな音が現れ、その人を攫って行った。
でも、私は……
……そんなこと、認めたくなかったんだ。
「…ねえ、お兄ちゃん。どうしてそんなところにいるの?死んだひとみたい。」
──“お葬式”だと言われたその日、最愛のその人は、色とりどりの花の中に沈められた。
白く血の気のない肌は、すぐに触れられる距離にあるのに、どうしてか、触れることができなかった。
周りの人が、その人のことを想って泣いている。
それでも、私は……
……そんなこと、認められなかったんだ。
「…おはよう、お兄ちゃん。…今日、私の誕生日だよ。おめでとうって、言ってくれないの?」
──私の誕生日だったその日、最愛のその人は、小さな、小さな壺の中に入れられていた。
一年先に生きていたはずのその人は、今はもう、同い年だ。
それなのに、その人はおめでとうって、言ってくれなかった。
だけど、…
だけど、あたしは……
……そんなこと、認めなかったんだ。
「ほら、お兄ちゃん……早く戻って来ないと、あたし、いなくなっちゃうよ?」
──いつかあたしがそこに立ったその時、最愛のその人は、写真の中で微笑んでいた。
「あは…っ……そっ、か。そう…だよね。」
「お兄ちゃんも…あたしと一緒に、いたいよね。」
「だったら、あたしは……」
……そこから一歩、足を踏み出した。
「お兄ちゃん…ううん。」
最愛のその人───
「───こまき。………待っててね。」
───こまきのところへ、行くために。
「ふふ……きっと、すぐに会えるよ。」
「だって、あたしとこまきは。
儚い糸なんかじゃない──そう、運命の“環”で繋がってるんだから。」
────!?───!
────…─、──!?
──────!!
…赤い光とサイレンの音が、藍色の夜空に鳴り響いた。
+・+・+・+・+
ここまでお読みくださり、本当にありがとうございます!
ヤンデレ妹、ようやく登場させられました。
いつか絶対にイラストを描きます。
そして私は、今日から…
…テスト勉強を……してきます……… ( ´ཫ`)
なので皆様、どうか私にやる気をお恵みください…… (っ´•̥-•̥`c)
☆や♡、ブクマをつけてもらえると、喜びます…
コメントとかしていただけたら、返信します…
お願い、します…(^˶・-・˵^)
主人公のイラストを載せています!
↓↓↓ぜひご覧ください!↓↓↓
https://kakuyomu.jp/users/kitsune_Aya/news/16818622174809826264
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