第4話 アイス、ブランコ、赤面
明日香に引きずられたまま、俺は駅前のセブンまで連れてこられた。
「おい、ちょっと! 俺の足、ちゃんと動いてるから!」
抗議もむなしく、彼女のポニーテールは弾むように揺れ、まるで俺の文句なんて聞いてないって言ってるみたいだ。
セブンに着くなり、俺は4月でまだ肌寒いってのに、ついアイスコーナーに吸い寄せられた。
チョコモナカ、ガリガリ君、雪見だいふく……迷った末、ハーゲンダッツのミニカップを手に取る。ちょっと贅沢したかっただけだ、うん。
「昌也、アイス? 肌寒いのに、めっちゃ攻めるね〜!」
明日香は自分のアイス(いちごのモナカ)を手に、ニヤニヤしながらからかってくる。
「うるさいな。春だし、アイスくらい普通だろ。」
俺はムキになって返すけど、内心、レジでお釣りを数える手がちょっと震えてる。寒いのは本当だ。
そのまま、駅前の小さな公園に移動した。
桜の木が並ぶベンチに腰かけ、俺と明日香はアイスを手に並んで座る。
4月の風はひんやりしてるけど、暖かな日差しはなんだか悪くない。
「はい、昌也、味見!」
明日香がいきなりモナカを差し出してくる。いちごモナカのピンクが、彼女の笑顔とやけにマッチしてる。
「お、お前、急に何だよ!」
俺は慌てて身を引くけど、明日香はグイッとモナカを近づけてくる。ポニーテールが揺れて、彼女の目は絶対俺をからかってるやつだ。
「ほらほら、遠慮しないで! 私のアイス、めっちゃ美味しいよ? それと、昌也のハーゲンダッツも味見させて!」
彼女はニヤッと笑って、俺のスプーンに手を伸ばす。
「待て待て、勝手に食おうとするな! ……ったく、はい、ほら。」
俺は渋々アイスを差し出し、彼女のいちごモナカを一口パクッ。甘酸っぱい味が口に広がる。……うん、悪くない。
「しっしっし! 昌也、顔赤いよ! いつもの事なのに照れるって、相変わらずピュアだね〜」
明日香は手を振って笑いながら、俺のハーゲンダッツを一口奪う。スプーンを口に運ぶ仕草が、なんかやたら絵になるんだよな。
「う、うるさい! 寒いからだろ! お前だって、ほら、鼻赤いぞ!」
俺はムキになって反撃するけど、彼女は「えー、ほんと?」と鼻を押さえてケラケラ笑う。
ベンチの上で俺たちはアイスをつまみ合い、からかい合って、なんだかんだ笑い合う。
明日香のポニーテールが春の光に揺れるたび、俺の心もちょっと揺れる。
「身体冷えたし、ちょっとアレで遊ばない?」
明日香はアイスを食べ終え、ニコッと笑ってブランコを指さす。
「高校生になってブランコって……正気か?」
俺は呆れたように呟くけど、内心、彼女の無邪気さにちょっと引き込まれてる。
「ほんと元気だよな、明日香は。」
ブランコに移動すると、明日香はさっそく座って勢いよく漕ぎ始めた。
ポニーテールがバタバタ揺れる。
「昌也も隣乗って!ほら、靴飛ばし対決しようよ!」
彼女はブランコをガンガン漕ぎながら、楽しそうに叫ぶ。
「靴飛ばし? 子供かよ!」
俺はツッコミながらも、隣のブランコに座る。まぁ、こういうバカバカしいノリ、嫌いじゃない。
明日香はさらに勢いを増し、ブランコを高く漕ぐ。
「よーし、行くよ! せーの!」
彼女がブランコの頂点で足を振り上げた瞬間、スカートがふわっとめくれそうに。
「お、おい、明日香! スカート! 見えるって!」
俺は慌てて手を振って静止をかける。顔が熱くなる。やばい、見えちゃう!
だが、明日香はケラケラ笑いながらブランコを止める。
「昌也、慌てすぎ! ほら、下は体操服だから平気だって!」
彼女はスカートを軽くめくって、体操服を見せる、下着じゃない。
「う、うわ、わざと見せるな! 」
俺は顔を真っ赤にして叫ぶ。心臓がバクバクしてる。
「そりゃ今どきの高校生ですもの、下はちゃんと履いてますよーだ、それとも昌也、別の期待してた?」
明日香はブランコから飛び降り、ニヤッと笑って俺に近づく。ポニーテールが揺れ、彼女の目は完全に俺をからかってる。
「ち、違う! 期待なんかしてねえよ! ……ったく、からかうな!」
俺はムキになって反撃するけど、声が裏返ってる。情けないったらありゃしない。
「ふふ、昌也のそういうとこ、ほんと可愛いね。ほら、靴飛ばし、まだ続けるよ!」
明日香はそう言ってまたブランコに飛び乗り、冷たい空気を巻き上げながら漕ぎ始める。
俺はため息をつきながら、ブランコを軽く漕ぐ。
桜の花が落ちた木の下、彼女の笑顔とポニーテールが春の風に揺れる。
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