第10話

『おい、そろそろだよ。はやく起きろよ』


 口が悪くなってしまった夜影さん。それはさておき......眠い。


『眠いじゃないわ!早く盗みなさい!』


 あー盗むとするかぁ。



 屋上に行って、換気扇の中に行く。雀に変身し雀鬼戦の馬鹿をどんどん進んでいく。そしてたどり着いたのは......『館長部屋』


そこには、館長が高級ワインを優雅に飲み干し、裏口から脱走しようとする館長様がいた。


―ガンッ


 換気扇を壊して、下に降りる。そして、姿を変えて、


「だ、誰だ!?」

「どうも。貴方、まさかそれを盗もうとしているわけで?」

「な、何を言う!お前が怪盗鴉ならば、私がどこに隠したかわかるだろ?」

「はい、わかりますよ?」


 不敵な笑みを浮かべて、挑発してきた館長様に向かって、ポッケから取り出した、スプレーをワンプッシュ。


「なにを...した......」

「ただ、ぐっすり眠れるようにしたあげただけですよ」

「くそ....が」


 パタリと倒れた館長から真珠のネックレスを盗み、館長を裏口へ引きずる。そして、偽物のネックレスを、館長の首につけ、小屋の中で寝かしてあげる。そうすれば、俺が盗んだことにはならずに、館長様が盗んだことになるんだよね。


「ありがとうございます!初仕事達成」


『本当、私の能力のおかげとも言えなくなってきちゃったわね』

 

 どういうことかな。夜影さん。


『貴方は頭が良い。だから私の能力と釣り合うのかもしれないわ』


 あ、俺天才なんで。そこんとこよろしく。あと、複製人間コピーした俺をさ、消しといて。


『はいはい。わかりましたよ』


 

 俺は、屋上に戻り、鳥になって家へと戻るのだった。

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