おとぼけで天然の聖女様。酔った勢いで告白されたんだけど、どう受け取ればいい?!~短編版~

高月夢叶

第0話プロローグ/新歓コンパの出会い

うちの大学には聖女様と呼ばれる清楚可憐な美女がいる。 

花澤はなざわざわ万里愛まりあ。大学二年生。 

 

 完璧な才女で、誰に対しても分け隔て無く接する立ち振る舞いで聖女のような性格で微笑みをくれる。その性格と相まって、彼女のライトブラウンのサイドテールのゆるふわのミディアムヘアーにまふまふで柔らかそうな男を虜にする大きなバストは特に男子学生の憧れの的となって人気が高く、一部の生徒から『聖女様』という愛称で呼ばれている。 

 

大学2年の僕、武藤むとう和志かずしも彼女を目の保養目的で追うだけの陰キャに過ぎない。 

 

まさか、彼女と卓を囲み共に酒をみ交わす秘密の関係になろうとは思って見なかった。 

 

彼女との出会いは、一年前の大学入学当時に遡る。 

 

 

新歓コンパの飲み会のこと。 

 

花澤は、2年の先輩から、無理やり酒を飲まされそうになっていて、彼女はそれを必死で拒んでいた。 

 

「おい、一年。俺からの酒が飲めないのか!?」強引に酒を飲ませようとする先輩。 

 

僕は、彼女が座っている向かい側のテーブルで酒を飲んでいたが、見かねて二人の間に割って入った。 

 

「あの、先輩。彼女嫌がっているじゃないですか。無理やり飲ませるのは良くないですよ」 

 

と酒が回った勢いでいつもは発揮しない正義感が働き、二人の間に割って入り花澤を助けた。 

 

 このことがきっかけで、俺たちは出逢ったのだった。 

 

コンパからの帰り道、花澤と一緒になって、帰路につく。 

女子の一緒に帰るなんて、高校の頃だったら、まず有り得なかったイベントに緊張して言葉が出なかった。 

 そんな沈黙を打ち破るかのように花澤からおもむろに酒を頑なに拒む理由が語られる。 

 

 

 「わたしがお酒を拒む理由は少し前に遡るのですが、あれは高校三年の冬。学校の帰り道でコンビニで買ったアルコールチョコを買い食いしたんです」 

 

「わかります。よく友達と買い食いしますよね」 

 

僕は、したことないけど。彼女の言葉を肯定した。いつもぼっちでの買い食いしか経験がなかったが、それは飲み込んだ。 

 

「そこで、わたしは、は酔っ払って友達に素の天然なありのままの性格で本音をぶつけたことで、相手を傷つけてしまったことがあって、それからは、人前では素の性格は見せないで口数少なく振る舞うようになったんです」とここまで一気に語る。 

 

「そう、だったんですか」 

 

「大学に入学を機にここのままではいけないと思い、『聖女様』と言う鎧を纏い、人前ではお酒は飲まないと決めて、大学のキャンパスライフをスタートさせたんです」 

 

「わたしがお酒を飲まない理由を話したのは、武藤くんが初めてなんです」 

 

彼女の顔を見ると月明かりのお陰で頬が軽く赤くなっているのがわかった。 

 

「本当はみんなとお酒が飲みたい。でも、それはできないだから武藤くん、わたしの飲み友達になってくれませんか?」 

 

「ええっ俺がー!?」突然の申し出に僕は素っ頓狂な声を上げてしまった。 

 

「イヤ、ですか?そうですよね。わたしなんかと…。それなら無理にとは言いませんが……」 

 

「違うちがう!相手が僕なんかでいいのか?って意味ですから!」慌てて訂正する。 

 

そうだよな。こんな反応したら嫌がっていると思われても仕方ないか。 

 

「なんかなんてそんなことありません!武藤くんだからいいんです」 

花澤さんはむしろ歓迎してくれていた。なんで僕なんかをと信じられない気持ちだった。 

 

「そう、なんですか。僕でよかったらいつでも相手になりますよ」 

 

でも、このモテ期というビッグウェーブに乗ってみようと思い快く了承した。 

「あの敬語はよしてくださいわたしたち同い歳なんですから、フレンドリーに行きませんか?」 

 

「う、うん。いいな!」僕は威勢よく言った。 

 

が、女の子にタメ口なんて小学生以来で違和感が拭い切れなかった。 

 

「そうそう、その感じです!」花澤さんは満面の笑顔で言う。 

 

「あれ、でも花澤さんは敬語なんだね」ふと疑問に思ったことを訊く。 

 

「実はわたし、男の子にため口を使ったことがなくて恥ずかしいので敬語でお許しください……」 

 

えー!なにそれ、ズルい。僕だって女の子にタメ口は恥ずかしいのに! 

 

「わかった。恥ずかしいなら、今のままでいいよ。何より、その方が清楚な感じがして、可愛いと思うよ」 

 

「嬉しい!これから、よろしくお願いしますね」そう花澤さんは柔和な笑みを浮かべるのだった。 

 

あれ?この選択間違っていなかったむしろ、トロフィー獲得したんじゃないかな?! 

 

「じゃあ、わたしとマインの交換をしてくれませんか?宅飲みするときに連絡を入れるので」 

 

「い、いいの!?」いきなりの申し出に僕は驚いて大きな声が出てしまった。 

 

「なんでちょっと動揺しているんですか?!」フフフと花澤が」笑う。 

 

「べ、別に動揺していないしっ!」 

 

女子とのマイン交換に動揺するなという方が無理な話だ。 

高校の頃に女子との交流のなかった僕にとって、初めての女子の友達登録だったからだ。 

 と同時に心の中で興奮していた。別に初体験じゃない感を装い、慣れた手つきで連絡先を交換した。 

 

 こんな時のために、友達登録のやり方は予習済みなのだ。 

 

それからと言うもの花澤さんは、大学の一週間の講義が終わる金曜の夜になるとマインで連絡をして俺を自分の家に招いて一緒に、宅飲みをするようになった。 

 

 花澤は僕の前でだけ、素の性格を見せて、天然で抜けた柔和な顔を見せるようになのだった。 

 

大学の飲み会には参加しないで、誰かと酒を飲んで語り合いたい時に、僕を誘って 

宅飲みをする秘密の関係が始まったのだった。 


               ***


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