ハッピー・エンド・インサイド
助部紫葉
#1
俺は顔は悪い。性格も悪い。
だがしかし金ならある。
親の金では無い。俺が自分が稼いだ金だ。
どうやって稼いだのかは、ここでは一旦置いておく。
そんなで俺は学生の身であるにも関わらず、自由に使える資産をそれなりに持っている。
それが俺、芦ケ
さて、そろそろ本題に入っていこうか。
今回のターゲットは
安部の調べはついている。
一流企業の社長の一人娘だった女。
かなりの金持ちだったがその一流企業は事業に失敗し倒産。
莫大な借金を抑えた元社長の父は妻と娘を残して首を吊って自殺。
保険金で借金はどうにかなったようだが、ほぼ無一文の様なもので苦しい生活を送っているようだ。
現に安部珠美はバイト漬けの学生生活を送っている。
その弱みに漬け込こもうと思う。
安部の顔の造形は悪くないし、何より魅力的なのはその豊満な身体だ。
胸がデカイ、ケツもデカイ。
悪くない。
あの身体を好きにするーーそんな妄想で頭が埋めつくされ、劣情が滾る。
俺は顔も悪ければ性格も悪い。人に好かれる要素が何一つ無い。
だが俺はそれでいい。
他人から嫌われることを恐れなくていいのだ。
楽なもんだろ?
◇
バイト終わりの安部が疲れた表情で暗い夜道を歩いている。
ボサボサの髪に袖がヨレヨレの制服姿は何とも見窄らしい。
手にはレジ袋。おそらく廃棄弁当でも入っているのだろう。
そんな安部に俺は声をかけた。
「安部さん。こんばんは」
「えっ⋯⋯?あ、あっ⋯⋯こ、こんばんは?」
「もしかしてバイト帰り?遅くまで大変だね」
「あ、はい⋯⋯あ、あの⋯⋯どちら様ですか⋯⋯?」
「どちら様って安部さんはクラスメイトの顔覚えてないの?失礼だなぁ。俺は安部さんと同じクラスの芦ケ谷だよ」
「あ、あっ、ご、ごめんなさい⋯⋯クラスの人の事ちゃんと覚えてなくて⋯⋯」
「安部さんなんかいつも忙しそうだもんね。放課後も直ぐに居なくなっちゃうし。バイトしてたんだ?」
「ご、ごめんなさい⋯⋯」
「なんで謝るの?安部さんは何か悪いことでもしてるの?」
「い、いえっ、そういう訳じゃないんですけど⋯⋯でも、大体悪いのは私なので⋯⋯」
「なにそれ?」
「こ、ごめんなさい⋯⋯」
安部は終始不安気な表情でオドオドしていて一度も目が合わない。
それに全く覇気が無い。肉体的にも精神的にも疲れきっている様だ。
これは簡単に漬け込めそうだと思った。
「安倍さんにさ。ちょっといい話があるんだけど⋯⋯今から少し話出来ない?」
「いい話⋯⋯ですか?」
最初は乗り気では無かった安部ではあるが、俺が押せ押せと少し強引に連れていく。今の安倍に断りきる気力は無かった。
近くの公園のベンチに2人で並んで腰掛けるが距離は人一人分空いていて、そこから安部の俺に対する警戒心がヒシヒシと感じられた。
「それで話って何ですか?」
「金の話」
「お、お金⋯⋯?」
「はい、これ」
そう言って俺は懐からそこそこの厚みを持った茶封筒を取り出して、安部に差し出した。
「それに安部さんの1ヶ月分のバイト代の倍の金額が入ってる」
「えっ⋯⋯!?」
突然の出来事に目を見開き驚愕する安部。それも無理は無いことだろう。俺にしてみれば端金ではあるのだが安部にとってはそうもいかない。
自分が1ヶ月間汗水垂らし神経をすり減らして手に入れる金ーーその倍の金額と言えば大金であろう。
「こ、これ⋯⋯な、なんで⋯⋯」
「あー、勿論ただで渡す訳じゃない。それに見合った対価は払ってもらう。そうしたら安部さんにそれを”払って”もいい」
「えっ、えっ、えっ」
「金無くて大変なんだろ?」
「そ、それは⋯⋯その⋯⋯」
「毎日毎日くたくたになるまでバイトバイトバイト。まだ学生なのにな。折角の青春なのにな。バイトに明け暮れ。あとは推薦だから成績落とす訳にもいかないから勉強ばかり。んで?まともに遊びに行ったことも無いんだろ、オマエ」
「あっ⋯⋯」
「そんな安部が可哀想でなぁ。傍から見てて憐れだったから、ちょっと手助けしてやろうと思ってな」
手助けというか、コイツの弱みに漬け込んで俺自身の欲望を満たそうとしているだけだが。
「週に1回、月に4回たったそれだけでいい」
「それは⋯⋯ど、どういうことですか?」
怯えた表情で俺を伺う安部に俺は告げる。
「オマエの身体を俺に好きに使わせろ」
「⋯⋯ッ!」
「そうしたらオマエが1ヶ月で稼ぐバイト代の倍の金額払ってやるよ」
実にシンプルな話だ。
俺は安部に対して身体を売れーーと、そう言ってやった。
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