第3話 【龍帝】ベル・グレイリー

|それは、人間とモンスターの...結果が分かりきった弱者ひと強者ばけものの戦いでは無かった。モンスターが人間の抵抗を嘲笑うかのように蹂躙する戦闘とすらよべないものでも、人間が技術を振り絞ってモンスターを打倒するドラマ溢れる戦闘でもなかった、いや、蹂躙という事は、圧倒的な差があるということは合っていた。


「彼女は、持ちだよね?。女性で異名持ちとなると...」

[龍


ある1人の視聴者がコメントした、すると


[龍だ

[龍だ

[龍なんだ、きっとそうだ

[Perhaps it is a dragon!?

[彼女が死ぬ訳なかったんだ


次々とコメントが送られる、1秒に5806件、凡庸の配信ドローンではオーバーフローを起こしても不思議ではない量だ


「龍...つまり、彼女はあの、【龍帝】ベル、不死龍ベル、死んだとされた冒険者、迷宮に挑み散ったとされた蛮勇愚者のベル、生きてたんだ。」


ベルとイレギュラーモンスターであるオーガキングは正面からぶつかり合っている、オーガキングは驚くほど洗練された斧術で大斧を操り、荒ぶる滝のように怒涛の連撃を繰り出している。対してベルはノーガード、両手を広げ、全身で攻撃を受け止めている。一見するとベルをオーガキングが圧倒どころか今にも殺すような場面、しかし、血が流れていない、ベルは無傷なのである。


『手は出し尽くしたか?』


姿は人間のままである、しかし、その圧は、その本質は、弱者ひととは呼べぬほど人間とは隔離していた。

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