第23話


かなこはあの日から毎日のようにSNSに私の悪口を書いていた。


わざわざ私をタグ付けして――通知が鳴るたびに胸がズキリと痛む。


ブロックしようと思ったこともあった。

でもなんとなく「それって負けたみたいで悔しい」って思ってしまった。


私は“親友”に彼氏を奪われた。


私が何かしたわけでもない。

傷つけた覚えも、裏切った覚えもない。



――でも責められてるのは私の方だった。



毎日のように更新される悪意のツイートはすっかり日常の一部になっていた。


(……もう勝手に言わせておけばいい)



そんな日々が続いてちょうど1ヶ月ほど経ったある日。



じゅんが海外の仕事から日本に戻ってきた。


そしてちょうどその頃、昔の同級生から久しぶりに連絡がきた。


「久々に昔のメンバーで集まるんだけど、人数がちょっと足りなくてさ。ルナも友達連れてきてくれない?」



そのメッセージを見た瞬間、胸がざわついた。


(昔のメンバー……って事はかなこも来る...?)



そう思ったけど懐かしい仲間に会えるチャンスなんてそうそうない。



私は迷った末に、じゅんを誘って参加することにした。



「俺そういうワイワイしたとこ好き!

それにもし"かなこ”って子がいたら、ルナになにするかわからんしな。俺が一緒にいた方が安心だ!笑」


冗談めかして言うじゅんの言葉に、私は思わず笑ってしまった。


じゅんのやさしさがすごく嬉しかった。



そして当日――


私はじゅんと一緒に指定された居酒屋に入った。


店内にはどこか懐かしい笑い声が響いていた。



「あっ!ルナじゃん!久しぶり~~!」


声をかけてきたのは学生時代仲の良かったあやかだった。



「久しぶりだね!あ、こっちはじゅん!私の友達」


「おぉ~はじめまして!よろしくね!」


「よろしくお願いします!」



私たちは席につき、乾杯をして、懐かしい話に花を咲かせた。


昔話にみんなが笑い合う、そんな時間。


でも――


その時だった。


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