異世界サウナー 〜ロウリュ好きの俺、転生して最強の癒しの力を手に入れ、仲間たちとともに心と体が整う体験を広げていく。癒しの力で異世界の人々を整え、サウナ王として成り上がる〜

☆ほしい

第1話

「……え? なんだ、ここ?」


目を開けた瞬間、見覚えのない景色が広がっていた。どういうことだろうか。さっきまで俺は、自分の部屋のベッドに横になっていたはずだ。だが、今、目の前に広がっているのは、見慣れない風景。緑が溢れ、空は広く、まるで異世界にでも来てしまったかのようだ。


「異世界転生、ってヤツか?」


心の中でそんなことをつぶやいたが、実際にその状況を目の当たりにして、どこか冷静でいられたのは、サウナのことばかり考えていたからだろう。俺、翔太。元々サウナ好きな普通の青年だ。異世界なんて、そもそも考えていなかったし、そう簡単に信じられるわけもない。


「お前が、翔太だな?」


ふと、目の前に声が響いた。振り返ると、そこには一人の女性が立っていた。金色の髪に、白いドレスを着た、その女性は、いかにも神秘的で美しい。


「お、お前、誰だ?」


俺は思わず声を上げる。だが、その女性は微笑んだ。


「私は女神。お前に、ある特典を与えに来たのだ」


女神がそう言って手を広げた。正直、まだ半信半疑だったが、何もかもが異世界っぽいし、もしかしたら本当に女神かもしれないと思い始めていた。


「お前に与える特典は、これだ」


女神は目を閉じ、両手を広げた。そして、突然、視界が一瞬で変わった。目の前に大きなサウナ小屋が現れたのだ。


「これ、サウナ?」


驚きで声が漏れる。サウナが、ここに、目の前に、瞬時に現れた。こんなことがあり得るだろうか。俺が思っていたのは、ただ単にサウナが好きということだけだ。でも、今ここにこうして存在しているのは、間違いなく現実だ。


「サウナを使いこなす力をお前に授ける。これからお前は、この異世界でサウナマスターとして活躍することになるだろう」


「サウナマスター?」


「その通りだ。お前が与えられる力は無限だ。サウナを設営する力も、そこに入ることで癒しを与える力も、お前にしかできないものだ」


女神は優雅に微笑みながら言った。俺は頭がくらくらしてきた。どういうことだ? 俺にサウナを設営する力? まさか本当に、こんな力をもらえるなんて……。


「じゃ、じゃあ、試してみるか?」


と、俺は試しに言ってみた。サウナを設営する力、無限に使えるなら、まずはこの力が本物かどうか確かめないと気が済まない。女神は何も言わずにただ頷き、俺の行動を見守っている。


俺は手を伸ばして、思い切りその力を使ってみた。


すると、驚くべきことに、目の前に巨大なサウナ小屋が、まるで魔法のように現れたのだ。


「本当に……できた?」


俺は信じられなかった。この力を使うだけで、こんなに簡単にサウナを作れてしまうなんて。こんな力が、俺に与えられたのだ。何もかもが現実離れしている。でも、実際に目の前にあるサウナ小屋は、間違いなく現実だ。


「これでお前もサウナマスターとしての第一歩を踏み出したわけだ。これからはその力を使い、この異世界を癒していくことになる」


女神は再び優雅に微笑む。そして、俺の前に立つその姿は、まるで計画を持っているかのように見えた。


「俺、サウナの力で異世界を癒す……?」


女神は頷き、そして俺に語りかけてきた。


「サウナを使って、異世界の人々の疲れを癒し、力を引き出していくのだ。お前のその力が、この世界の人々を助けることになる。サウナの力を存分に活用し、癒しの力を広げていくのだ」


その言葉に、俺は確信を持った。


「よし、やってみるか」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る