神の国

五十鈴カッシーワ

第1話[ゼウスの道標]

 目を開けると空が見える。少し色が違うように感じた。いつもと違う場所、違う雰囲気、似つかない景色。あぁ、自分は異世界に来たのか。そう感じた。

 自分の体を見下ろす。良かった、変わらない安心出来る自分の体だ。体を動かして今の自分にケガがないかも調べる。ここまで念入りにチェックするのはここは慎重にいかなければいけないと感じていたからだ。

 この場合どうするべきか相場は決まっている。歩くことだ。止まっていても何も起こるはずがない。腰にかかっていた剣に手を置きながら辺りを見渡して自分と同じ境遇の人を探す。見つかるわけがなかった。

 さらに歩くと木造の小さな家が見えてきた。「RPGゲームのチュートリアルみたいな家だ」

そう言いながら近づいていき、ドアをノックする。

返事は来なかった。

「......」

「ん?...」

あることに気づいた。ドアの横にグラスのマークがあるそのグラスの中には紫色の液体らしきものが描かれている。

「液体、グラスの中に液体、飲み物、紫色、ワイン...酒っ!」

自分にあきれた、酒屋の扉にノックをしていたのだ。恥ずかしさを隠しながらさりげなく扉を開ける。

「す、すいませ~ん」

「ハハッ、忙しない客だな」

身長が2メートルはあるいかにも店主らしき人が声をかけてきた。

「まっ、こんな辺境も辺境の土地に来る客なんてこんなもんか」

「自虐ネタ?」

「そりゃあそうだろ、せっかく来た客を貶しちゃいかねぇからな」

この店主は気が良さそうだからいろいろなことを聞くことにした。

「何個か聞きたいことがある。この地域についてあんまり知識がなくてな」

「良いぜ、何を知りたい」

一旦全部聞いてみることにした。

「ここは?」

「町のはずれの森の奥地」

「あなたは?」

「ここの店主」

「名前と性格は?」

「オフィエル。頑固だが気のいいおっさん。(これ聞く必要あるか?)」

「出身は?」

「西洋」

「なんでこんなとこに店を建てた?」

「離反した」

「特技は?」

「平和」

一旦整理しよう、彼は一人だけで町を離れている。そしてそれは離反のせい。特技平和って何だ?まさか異世界とかそんなベターな魔法とかで、今考えてみたらあれだ、オフィエルも天使の名前だった気がする。もしかしたら、、、

「最後に質問だ、、、この世界を一言で表すと?」

「ん?ん〜...強いて言うなら...」

『神の国』





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