4話

side-シリル


「シリル君、今回は君がメインで戦うんや」


「え、メルヴィンさんがではなくてですか?」


「そうや、他もそうやと思うけど、ここは君らの経験を積ませる場や。

失敗してもええから、とにかくやってみや」


そうか...この組み分けは単に戦力の分散だけではなかったんだ...

この場なら、あれを...


「分かりました。メルヴィンさん、僕の打ち漏らしだけをお願いします。」


「うんうん、若いっていいねぇ~」


ドーン!


合図だ!!


僕は今まで風属性しか使用していなかった。それは偏に光属性の適性が高すぎて制御しきれなかったからだ。ここまでの修行を経て何とか使いこなせるようになった光属性の身体強化魔法ラディアント・エンハンス――この魔法は身体の動きが光のように鋭く、正確になり、残像すら残る神速の行動が可能になる。



「行きます!―――ラディアント・エンハンス!」


* * *

side-メルヴィン


なるほどなぁ~


あの子が割り振られたんは、スピードタイプの僕から見たアドバイスをしてあげるためなんやろうなぁ。よう考えられてるわ。

ただでさえ難易度の高い光属性に、あの魔力量と適合率。それをあそこまで使えれば、ここはなんも心配あらへんな。



―――でも、勿体ないなぁ


あの子の持ち味は魔力量や属性でもない、それを組み合わせた剣術や。

今のあの子は魔法に振り回され、強化されたスピードに身体がついてきてへん。


「懐かしいなぁ」


僕も昔は同じ壁にぶつかったもんや、森から帰ったらみーっちりしごいたるでな


* * *

side-クラリス


ぐぎゃあ!


「これで、この付近のゴブリンは片付いたわ!」


「うむ、お前には少し簡単すぎたな」


「お父様が初撃でかなり倒しちゃうんだもん、まぁそれがなくてもあまり変わらなかったと思うけど―――」


!?


ドオオオオオオオン!!


今のは何?


今、一瞬鳥肌が立った。魔力云々は分からないけど、私の勘はこれはレオンの仕業だって言ってる。私の勘は今まで外れたことがないの。あの日、剣を選んだ時からね。ということは――


「ふふっ!」


レオン!また強くなったのね!

また挑んでくるのを楽しみに待ってるわ!!



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