3話
俺は3歳になった。
「いただきまーす!」
「これ貰いっ!」
「姉さん!それ俺のなんだけど!!」
「そう?」
そう?ってなんだよ!!
畜生!!こうなったら...
「母さん!!姉さんが俺の飯取った!」
「あ!レオン!それはずるいわよ!」
「はぁ...二人とも!朝から騒がないの!!」
な、なに!?なぜ俺まで怒られているんだ!
絶対に姉さんが悪いはずなのに
「クラリス」
「っはい!!」
「あなたには貴族の令嬢としての※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※...」
ああ、始まってしまった。母さんは、姉さんを何とか一人前のレディに育てたいらしくて、ことあるごとに「貴族の令嬢とは」「淑女とは」って話をするんだ。
結果は見ての通り、姉さんはすでに意識を飛ばしていて話を聞いていない...
確かに姉さんは何もしていなければその端正な顔立ちで人形のようではある、しかし、この脳筋の血筋を色濃く受けた姉さんにそれは無駄だと言わせてもらいたいね。
「母さん、話の途中で悪いけど、僕はそろそろ行くね」
「あら、もうそんな時間かしら、ユリウス気を付けるのよ」
「ありがと、それじゃ、皆行ってくるね。」
この数年でユリウス兄さんが自領の学園の初等部に通いだした。
この領にはアーシュラ王立学園という国内でも有数の学園の分校が存在する。
領内の子ともは7歳になると読み書きなどの基礎教養から初歩の魔法訓練(魔術回路の扱い、詠唱練習)を行うらしい。
ここで才能のあった子供は王都にある中等部に進んだり、家の家にある騎士団見習いに所属して魔境の対処に当たるようになる。
特に魔境が側にあるこの領地は国内数ある中の分校のうち脳筋で知られており、中等部に進むと力ずくで何でも解決するその姿勢に、野蛮人と呼ばれているらしい...
学校か...めんどくさいなぁ...
兄さんは楽しそうだけど、俺からしたら面倒以外の何物でもないぞ
何とか回避できねーかな?
「うむ、では俺も仕事に取り掛かるとするか。クラリス」
「ん?おふぉうふぁんふぉおいはお(お父さんどうしたの)?」
「はっはっは!いっぱい食べることは良いことだ!」
「ちょっとガイアス!」
「う、う”ん!クラリス、今日も午後から剣の修行だぞ!遅れることは許さんぞ!」
「はい!」
姉さんは最近父さんと剣の修行をしているらしい。
どうやら剣術の才能が相当あるみたいで、王国最強と呼ばれる父さんが期待するほどの才能があるらしい。
姉さん自身も剣術が大好きらしく、今度魔境の森へ狩りにデビューするんだって嬉しそうに言ってきたよ。
それを聞いた母さんが卒倒しそうになってたっけな...
飯も食ったし、ここからは魔法の時間だ!
俺は相変わらずグーたら生活を続けてるけど、魔法に関してはしっかり鍛えてるんだぜ!
何ていったって魔法だ
こいつは前世からあこがれたが、絶対に手に入らないものだった。
それが今俺の手にあるのに、これを使わないなんて考えられない!
転生してすぐの頃、今まで培ってきたラノベや、ネット小説の知識を総動員して俺は魔力を把握することに成功していた。
こういうのはまず魔力を循環させるのが基本だよな!
うぅ...全然動かねぇ...
畜生!諦めてたまるかってんだ!
うぉぉぉぉぉ!!!!!(ぴくっ)
!?
おおおお!
動いたぞ!これだ!これだよ!!
そこから俺は魔力の循環に夢中になっていた。
これが癖になっちまって、昼寝してても、無意識に魔力を循環させてるくらいになっちまったんだ。
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