魔法だけ本気で、あとはだいたいだらけたい。

たけたけ

エピローグ

エピローグ【6歳】

どうやら俺は、“落ちこぼれ”らしい。


いやまあ、無属性しかない時点で、そう言われるのも仕方ないとは思う。


でもさ、それって本当に“落ちこぼれ”なのか?


属性魔法が使えないからって、魔法そのものを諦めるのは違うだろう。


だって、魔法って――面白いんだよ。


「……また本読んでるの?レオン。剣の稽古の時間よ!」


姉さんが声をかけてくる。木剣を肩に担いで、汗だくになりながら俺の部屋を覗いてきた。


いや、ちょっと待って。今いいところなんだよ。今、古代魔法文明の記録に“詠唱なし”で魔法を使った術者の記述が出てきたとこなんだ。


「あー……クラリス姉さん。今日はちょっと……魔法の研究が……」


「サボりは許さない! 来なさい!」


「ちょ、ちょっと待っ――」


……結局、俺は無理やり引きずられて、訓練場に連れていかれた。


剣の素振り百回。


筋トレ地獄。


最後には、姉さんの全力パンチ(属性付き)。


うん。俺、よく生きてるな。


* * *


「ねえレオン、魔法って楽しい?」


記憶の底、母さんがそう尋ねた。


「……楽しいよ。まだ、全然うまく使えないけどね」


「うん、それでいいの。あなたは、“好き”を大切にしてね」


その言葉が、今でも魔術の本を開くたび、ふっと蘇る。


俺はたぶん、他人から見たら、怠け者で、出来損ないで、戦えない“ただの子ども”なんだろう。


でもさ。


俺はこの手で、“誰にも縛られない魔法”を創るって決めてるんだよ。


だらけてるように見えるかもしれないけど――。


俺、本気だから。



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