第5話 穣司の本音と願い

穣司の祖父・文男が休憩室に入る。

恵梨奈は立ち上がる。


恵梨奈

「初めまして。中村恵梨奈です」


文男

「恵梨奈さんだね。桜木文男です。トミから話は聞いていたが、あ〜ホントに綺麗な人だあ…。


私の妻と同じくらいべっぴんさんだ。確かに穣司には勿体ないくらいだ!あっはっはっーっ!」


穣司

「じーちゃん…ったく…」


文男

「あ、何も言わんで良いぞ。だいたいわかる。

ワシも狼人間で耳は良いもんでな」


ドア越しから住職が文男に声をかける。


住職

「ちょっと文男さん!斃したイノシシとツキノワグマを寺の玄関に置いておかないで!」


文男

「あっっと、すまんすまん!」


ドアを少し開けて答える文男。その隙間を覗く住職の孫達。


住職の孫達

「すげぇーハイパーじーちゃん!素手でやっつけたんでしょ?あとでやっつけた話聞かせて!」


「あっ!黒い狼人間?」


「あっじーちゃんの孫の『ハイパー狼兄ちゃん』もいるーっ!すっげぇ、やっぱりカッコイイ!狼のヒーローだ!」


「あっハイパー兄ちゃんの隣にいるお姉ちゃん超可愛いっ!!」


無邪気に話す住職の孫達。


文男

「おうよ。じーちゃん、ハイパー狼兄ちゃん(穣司)と可愛い奥さん(恵梨奈)と話してから、たっぷり話きかせてやるから待っててな。」


住職

「こらっハイパーじいさんと家族が話してるんだから邪魔しない!

まあ害獣達の事、市役所には連絡しとくよ文男さん!」


ちなみに文男は害獣駆除の猟友会の人間でもあり狩猟のプロでもある。


とはいえ銃器や罠は使わず狼人間の状態で素手で斃すのがお決まりだ。まさしくハイパーじいさん。


恵梨奈

「ふふっ凄いね…文男さん、子供からも大人気。


私の事は…奥さんだって…ふふっ」


穣司

「ったくじーちゃんよ、相変わらず粗相が無えな…

勝手に俺のあだ名つけるなよ…何がヒーローだよ…


…全然違うだろ…」


さっきの悲しくて重苦しい空気が文男の登場で少し和やかになった。文男は2人の向かい側に座る。


文男

「穣司、恵梨奈さん、ちょっとだけジジイの話聞いてくれるかい?」


頷く2人。文男は2人にこう諭す。


文男

「2人とも生まれ持った特性、環境、そしてその中から壮絶な過去や経験があり、今がある。


特に穣司の過去の出来事、その気持ちはワシも痛いくらいわかる…。

ワシも穣司の父であり、ワシの息子の豊、穣司の母である可愛い義娘の菜々を喪った。


だかな過去を乗り越えよう、忘れようではなく、まずは受け入れる事、そして忘れない事だ。


生まれ持った宿命や起きた過去は事実だから変えることはできない。


その上でこの先どうしたいのかを2人で沢山話をしなさい。」


温かくアドバイスした。

ただ狼人間のままである穣司の鋭い目が文男を睨む。


穣司

「宿命もか…?おい、じーちゃんよう…この俺のおぞましい狼人間の姿もか?


受け入れろだと?簡単に言うなよ!


こんな遺伝子引き継がせやがって!迷惑してんだ!こっちは!


俺はこの姿を忌み嫌っているんだっ!!

おぞましいこの姿を…バケモノを…美化するな!

この姿で恵梨奈を傷つけるかもしれないんだぞ!」


強い口調で憤る穣司。

初めて聞く穣司の感情剥き出しの怒り声に少し戸惑う恵梨奈。


文男

「その姿を嫌う気持ちはわかる。すまなかったな…

ただお前、恵梨奈さんを傷つけたいのか?」


穣司

「何言ってんだっ!!そんなわけ無いだろう!


でも…この姿が…凶暴性が暴走したら…恵梨奈を…引き裂いてしまう…!ウゥッ…そんなの…絶対嫌だ!!」


大粒の涙を流しながら更に声色を強めて怒る穣司。


恵梨奈に目をやる文男。


文男

「恵梨奈さん、穣司のこの姿も、愛してくれているんだよな。本当にありがとう。」


恵梨奈

「こちらこそ、ありがとうございます。勿論です。

私は穣司には感謝しているんです。」


恵梨奈は穣司の手を握る。


穣司

「いや…ちょっと…だからそういう事じゃなくて…俺が言いたいのは…そのっ…」


戸惑いながら反論する穣司に文男は続ける。


文男

「確かに、お前には自分ではどうしようもない、変えられない宿命を与えたのはワシら一族のせいだ。


だがなお前がどれだけ自身の姿を忌み嫌おうが、普通の人間になれるわけがあるまい。


恵梨奈さんは、人間のお前も狼人間のお前も、愛してくれている。それも変わらない事実だ。

お前はいい加減、自分自身を愛したらどうだ?」


穣司

「えっ?」


文男

「まあ少しずつで良い…。嫌いな部分を愛するのは…簡単なことじゃないからな…


だかな…今のお前は、狼人間の宿命関係なく過去の出来事もごちゃ混ぜにして自責と後悔に潰されて、恵梨奈さんを愛せても自分を愛せずにいるんだ。」


穣司

「…っ!自分自身を愛する?


そんな…考えた事、無かった…」


文男

「恵梨奈さん、穣司が話した事とこのジジイの話を聞いて…キミの気持ちを率直に聞かせてほしい。」


恵梨奈

「私は…穣司が大好き。穣司は小学生の頃から私の事をずっと一途に思ってくれた。


久々に再会した時には、正直言って正体を知って驚いた。


正体を明かした穣司は、狼人間の姿で今までの私への気持ちや想いを全て話して丁寧に愛してくれた。


私も高校時代に暴行を受けてそこから人間不信、特に男性嫌悪だった。今でもたまにその出来事を思い出す。


そんな私を穣司は人間でも、狼人間でも優しく癒してくれたあの日があって私も彼がどんどん好きになった…。


今日まで沢山の愛を穣司からもらった…本当に今が最高に楽しくて凄く幸せ。


今の話を聞いて私は決めた…。これから何があっても…

私が…あなたを…幸せにする…。必ず…ぐすっ…。」


涙を流しながらもしっかり話す恵梨奈。


文男

「良い娘だ…強い心も持っている。頼もしいな…


キミがそばにいるなら心強い。穣司、今の話聞いたな。」


穣司

「ウゥォ…うぅ…っ うあぁぁぁぁぁーーっ!!」

滂沱の涙が止まらない穣司は人間の姿に戻る。


泣きじゃくる穣司。落ちつきを取り戻すまで文男は穣司を見守った。恵梨奈も黙って穣司の手を握る。


落ちついた穣司は文男と恵梨奈に礼を言う。


穣司

「ふぅ…恵梨奈さん、話を聞いてくれてありがとう。


じーちゃんも会えて良かった。

まだあの姿は好きにはなれないけど…少しずつ俺、変わるよ。」


文男

「おう、じゃあワシはこれで。あっ穣司!お前上が裸だな、コレ着てけ。返さんでええ、やるぞ。」


着ていた作業着を渡す文男。


穣司

「……。


うぇっ……。くさっ…。」


文男

「やかましいっ!じーちゃんの汗水、血は努力の賜物だ!」


素肌に作業着を着た穣司と恵梨奈は文男、寺の住職、孫達に挨拶して帰路につく。


孫達には「ハイパー狼兄ちゃん」の人間姿は普通だねと言われ穣司は困惑し恵梨奈は笑った。


駅前でレンタカーを返して民宿へ戻る2人。


民宿に戻り一休みしているとトミ子と従業員が2人の部屋をノックして開ける。


トミ子

「夜なんか予定あるんか?無いなら温泉行ってからコレ着て近くの花火大会に行っておいで。」 


チラシを渡すトミ子。


従業員

「私達で…作りました…似合うといいな。」

穣司に甚平、恵梨奈に浴衣をプレゼントする従業員2人


2人

「ありがとうございます!」


恵梨奈

「素敵〜この浴衣…。


あっこの花火大会、小学生の時、久々にお父さんが帰ってきて家族3人で行ったあの花火大会だ!懐かしい!!」

思い出し目を輝かせる恵梨奈。 


穣司

「花火があまり好きじゃないな…何か事故が起きないか気になる。」


トミ子

「心配しすぎるのも…まあ無理ないか…ならば神社の境内から花火を眺めるならどうだい?」


二人は温泉に入ったあと、甚平と浴衣に着替え、神社から花火と祭りを楽しむ。


神社からの夜空は少し曇がかっているが、沢山の打ち上げ花火が夜空を照らす。


屋台のものを食べたり、射的の腕は恵梨奈の方が上手く景品を穣司が沢山抱えている。


穣司は花火と屋台に無邪気にはしゃぐ恵梨奈の笑顔に癒され、少しずつ心が軽くなる。


民宿へ帰ると空は雲一つない満月。 

部屋に戻るなり穣司は上半身を脱ぎすぐに漆黒の狼人間に変貌する。


それを待っていたかのように恵梨奈は近づきその姿を抱きしめ穣司も優しく抱き返す。


穣司は鋭い爪を持つ大きな手をそっと彼女の顔に置いた。少しずつ恵梨奈の浴衣を脱がしていく穣司。


その触れ方は初めての夜と同じように壊れ物を扱うように慎重だった。

穣司の手が彼女の頬を滑り、熱い指先が優しく肌を撫でた相変わらずの優しい愛だ。


恵梨奈

「穣司…大好き…」


穣司

「恵梨奈…俺もだ。」


一糸纏わぬ二人の体が静かに重なり合う。 

昨日は激しい愛を重ねた2人、今日は正反対だ。


ゆっくり時間をかけて愛する穣司。

恵梨奈は狼人間穣司の丁寧すぎる愛を感じながら初めて過ごしたあの日の夜を思い出す。


恵梨奈

「…。(初めて狼人間の穣司を見たあの時と同じ…

いや、あの時よりも…丁寧だ…)」


穣司

「…。(あの日、初めて恵梨奈に気持ちを伝えた日。

まさか恵梨奈を愛せるとは、恵梨奈が受け入れてくれるなんて…それがあるから今があるんだ…)」


無言のまま愛し合う2人。


穣司

「フゥ…昨日と比べてだいぶ静かだな…恵梨奈。」


恵梨奈

「初めてあなたに好きと言って貰った日、思い出していた。」


穣司

「俺もだ。今日は…じっくり愛したい…そうさせてくれ…」


長い時間かけ丁寧に愛し合った2人。


終わっても穣司は狼人間のまま恵梨奈を抱きしめた。

穣司の目を見つめて恵梨奈は問いかける。


恵梨奈

「穣司、あなたはこれからどうしたい?


やっぱり、その…まだ、同棲は怖い?」


穣司は一瞬言葉に詰まり、爪の鋭い手を握り潰すようにして俯いた。ゆっくりと話す穣司。


穣司

「俺は…俺は将来…

恵梨奈と結婚して家族になりたい…。」


彼の瞳が恵梨奈を見つめ、その言葉に深い願いが込められていた。


穣司

「今家族がほとんどいない俺にとって恵梨奈は今1番大切な存在なんだ。キミとの間に子供も欲しい…」


恵梨奈

「穣司…嬉しい…。


東京帰ったら…お父さんに話してみようかな。」


2人はゆっくり眠りについた。


そして迎えた帰郷最終日。最後の日はトミ子への礼も兼ねて彼女が管理する海岸清掃を手伝う。


トミ子

「本当にいいのかい?観光はしなくて。」


穣司

「いいんだよ。お礼させてよ。トミばあちゃん。」


恵梨奈

「私も。」


海岸へ移動し穣司は久々に会う地元民と笑顔で会話を交わす。


地元民は文男の孫が来たと大喜び。


大人になった恵梨奈を見て一瞬誰かわからなかったとびっくりする人も。


子供達もハイパーじーちゃんの孫のじょーじ!と言いながら喜ぶ。


晴れて暑い日の新潟、気温は32℃


2人は麦わら帽子をかぶり、適度に休憩しながら恵梨奈も穣司もテキパキとゴミを拾う。


恵梨奈くらいの若い女性がいるのが地域には珍しいのか穣司と恵梨奈ちょこちょこを見る子供達。


塩飴を食べ麦茶を飲みながら休憩中の2人に近寄り、特に穣司をイジる子供達。


地元の子供達

「じょーじに奥さんがいるーっ」

「じょーじ、いつ結婚したの?」

「えー似合わない、可愛いすぎない?」

「おれ聞いてないぞ!」

「じょーじ、狼人間になって〜あっちの方がカッコイイ」

「たかゆき兄ちゃんを昔ちくわ公園でブッとばしたのって本当にこの姉ちゃん?」

「お姉ちゃん、この前はありがとう」


この前溺れて助けた男の子もいた。


穣司

「はははっ質問が多いなっ!参ったな〜

あと誰だ〜似合わないって言ったのは!」


子供達からのイジりに穣司は笑いながらツッコミをいれ、それを見て笑う恵梨奈。

地元民は2人と子供達の仲睦まじい様子を見て微笑む。


一通り清掃が終わり地元民達は2人にお礼として少し早い夕食をご馳走してくれた。


地元の新鮮な海鮮や野菜を囲み、穣司と恵梨奈は地元民たちと楽しく語り合う。


地元民

「穣司、恵梨奈ちゃん、今日は本当にありがとう!

また新潟に帰っておいで!」


子供達

「またあそぼーバイバ〜イ」

地元民達が温かく2人を見送る


穣司

「こちらこそ、ごちそうさまでした。またね!」


恵梨奈

「ありがとうございました。」


夕食後、2人は最後の宿、トミ子が管理する海の近くのコテージに泊まる。


この場所は毎年穣司が家族で夏休みに必ず行く場所だった。


夕方、静かな波音が響く中、穣司は砂浜に座り少年時代の思い出に浸りながら海岸を見つめる。


穣司

「父ちゃんと海入って遊んだり…

よく珍しい貝殻さがしてカニに手を挟まれたり…


母ちゃんが張り切ってバーベキューの準備して火加減間違ってボヤ騒ぎになったり…


デカいイノシシが海泳いでこっちに突進して狼人間状態の父ちゃんと相撲したり…


ふふっ毎回色々あったな…

まさか恵梨奈さんと一緒に過ごせる日が来るなんて…」


恵梨奈はそんな様子の穣司を窓から見つめながらコテージで着替え、白の薄いパーカーを羽織り初日に穣司をドキドキさせた美しい水着姿で現れる。


恵梨奈

「さて、ひと泳ぎしますかな。

穣司、夜にならないうちに泳ぎの練習する?」


元水泳部の恵梨奈が自信たっぷりに微笑む。

初日でその姿を見たはずなのに穣司は心臓が跳ね上がるほどドキドキする。


穣司

「恵梨奈さん…その…ちょっ…またその水着?


(あ〜もう…恵梨奈さんのスタイルにその水着が似合いすぎて…凄いドキドキする)」


照れながら呟くと恵梨奈はクスッと笑う。


恵梨奈

「穣司、まだ照れてる行こ、泳ぎ、教えてあげる!」


穣司も水着に着替え海に入った2人は、お互い子供みたいにはしゃぎ波と戯れながら楽しそうに泳ぐ。


穣司は恵梨奈に手を引いてもらいながら、泳ぎの練習をする。


穣司

「ぶへっ…まだ上手く泳げないっ」


恵梨奈

「ふふっ、水に全身預けるカンジ…わかる?」


潜り水面に全身を浮かせる恵梨奈。

穣司は目を奪われ人魚のような美しい姿があまりにも魅力的だった。


穣司

「凄いな…恵梨奈さん。

(あぁ…ヤバい…泳ぎだけじゃない、その姿が…もう…」


彼女のしなやかな身体と水着から覗く白い肌に、穣司は悩殺寸前だった。


穣司の身体は正直だ。理性も限界に近づいていた。


まだ夕方だが穣司は耐えきれず海の中で狼人間の姿に… 


穣司

「げっ!しまった…。ああ…恵梨奈…俺…その…あーもう、ごめん!もう俺のバカ!」


鼻息が荒く低く唸る穣司。

恵梨奈は予感していたかのように穣司を見つめ近づいて優しく微笑む。


恵梨奈

「浜戻ろうか…2人っきりだもんね…」


穣司の手を引いて砂浜に戻る。

砂浜に敷いたシートに座る2人。


恵梨奈は狼人間穣司の胸にもたれかかる。穣司は彼女を包むように優しく抱き寄せる。


穣司

「ふふっ…恵梨奈、相変わらず美しいな…

父ちゃん母ちゃんと来ていた思い出のこの場所に…今は大好きな恵梨奈と一緒にいる…


こんな日が来るなんて…幸せもんだ…俺は。」


恵梨奈

「私だって幸せだよ…


ねぇ…癒やしが欲しい…」


穣司

「わかった。」


誰も居ないプライベート空間…

ただ野外なので穣司は優しく抱きしめながらキスをし癒やし始めた。


恵梨奈

「ふぅ…落ち着く…でも…キスだけじゃなくて…あなたからの愛がもっと欲しい…」


穣司

「ふふっ…そうか…でも外じゃダメだ…風邪ひくぞ。中入ろう…」


恵梨奈

「うん…じゃあ運んで…」


穣司

「ふふっ…もう…仕方ないな…ふぅ…」


人間に戻った穣司は恵梨奈をお姫様抱っこして運ぶ。


コテージに戻った2人は、シャワーを浴びて汗と砂を洗い流す。


シャワー中の恵梨奈の姿、穣司はその姿を間近では見れず手で目を覆う。

横目で微笑む恵梨奈。


穣司

「っ…。

(シャワー浴びる姿まで美しすぎる…)」


恵梨奈

「穣司、体流すよ(ふふっまた照れてる…)」


穣司

「はっ…はい…」


シャワーを終えた2人。

バスローブ姿で恵梨奈は穣司に体を寄せて微笑む。


恵梨奈

「穣司…楽しかった…


久々に新潟に来れて、あなたの過去もしれて…

本当に良かった…ありがとう。」


さっきまでの照れは一切なくなり胸が熱くなる穣司。


穣司

「恵梨奈さん、俺も…本当に楽しかった!

ありがとう。

俺、恵梨奈さんがそばにいてくれたから、しっかり過去に向き合えたんだ!最高の夏休みだった!

一緒に新潟来てくれて、本当にありがとう!」


穣司は恵梨奈を抱きしめ彼女も強く抱きしめる。

再び欲望が湧き上がり穣司はバスローブを脱ぎ狼人間になり彼女を抱き寄せる。


穣司

「恵梨奈…ああ…ったく…俺ってば……

粗相ないな…はあ〜」

恵梨奈は微笑んで彼を見つめる。


恵梨奈

「ふふっ…その姿も大好き。また丁寧に愛してほしい。」


穣司

「あぁ…ベッドまで運ぶ…。」


電気を消しコテージのベッドの上で、2人は情熱的に愛しあった。


狼人間でも人間でも、穣司は幸せを噛みしめながら恵梨奈を丁寧に何回も愛し続け恵梨奈も彼からの愛をたくさん感じた。


人間姿の穣司は恵梨奈を優しく抱きしめる。


穣司

「恵梨奈さん…愛してる…大好きだよ。ふわぁ…」


恵梨奈

「穣司…私も…愛してる…大好き……

このまま寝よ。」


穣司

「うん。おやすみ…Zzz...」


満月の光がコテージの窓から差し込む中2人は眠りにつく。


翌日午前に新潟駅へ着き、職場へのお土産も買った。

新幹線に乗り午後、東京に帰ってきた恵梨奈と穣司。


恵梨奈の家で荷物整理をしてお互い思い出に浸りながら翌日からの仕事の準備も兼ねてゆっくり過ごす。


翌日からお互い休み明けの激務をこなした週末。


仕事終わりに恵梨奈は夜、父に電話をかけた。


恵梨奈

「もしもし、お父さん、夜遅くにごめん。


しばらく日本にいるんだよね。次の休みで東京の実家に帰る。お母さんから聞いていると思うけど…


今交際中の穣司の事、お父さんにしか出来ない相談があるからその話もしたい。」


圭太(恵梨奈父)

「あぁ…穣司くん…幼馴染の、あの狼人間の彼か…分かった。待ってるよ。」


続く

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