第15話 オオキンケイギク

堤防に、キバナコスモスのような花が咲いている。

それを見て、「季節的に、あれはオオキンケイギクだね」と母が言う。


大金鶏菊オオキンケイギク


1880年代に観賞用として日本にやってきたという。

荒れ地でも育つ丈夫さから、河川敷や法面の緑化にも使われたらしい。


ところが、ある年、特定外来生物に指定された。

そして、堤防のオオキンケイギクは、一斉に刈り取られた。

あんなにきれいに咲いていたのに、何もかも、跡形もなく。


人の都合で広められ、人の都合で駆除される。

よく聞く話ではあるが、だからといって納得できるわけではない。


また今年も堤防には、オオキンケイギクがきれいに咲いている。

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