歴史について語りたい・・・主に日本史以前

@namakesaru

日本人が日本人になったのは

 日本人は、北方からも南方からも、いろいろなヒトたちが入ってきて出来上がった国。タイミングも規模も様々だろうけれど、その通りであることは間違いない。


 現在の常識では、ホモサピエンスはアフリカで生まれ世界に広がった、とされている。アフリカを出た集団が、そのまま一気にアジアへやってきたのではなく、アフリカに近いところに住み着き、その中から少し遠方へ移住する者たちが出て、また、その中から遠方へ・・・、というように、広がっていったことは想像に難くない。


 集団を出るのはどのような理由からだったのだろう。

 弱者として追い出されたのか、親元を飛び出すように自ら出ていったのか・・・。

 

 どちらにしても、移動距離が長くなればなるほど、乗り越える困難が大きくなっていたはずだ。

 砂漠、雪や氷を頂いた山脈、大きな川、見たこともない肉食動物や毒を持った生物もいただろう。

 そして、食べるものもその植生によって変化したはずだ。それだけではない。海のそばでは、鳥の胃袋から出てきた魚類を見たり鳥が貝をついばむ姿を見たりして、食物になることを認識したかもしれない。死者を出すリスクを抱えながら、新しい食に挑戦し、食べられるものを増やしていったに違いない。

 動物を見て、食べられるかどうか判断する。それが、始まりだったのではないだろうか。


 人類が東南アジアに達したとき、動物が海を渡る姿を見て島へ渡る方法を考えたのかもしれない。大波に攫われ、手近にあった流木につかまり、浮くことを知ったのかもしれない。

 

 そうやってたどり着いたアジアの端。困難を克服する知恵とともに、手先も器用に動かせるよう発達したに違いない。


 例えば、水筒。

 皮を使うにしても直物を使うにしても、水がこぼれないようにするには、ひも状のものが必要だろう。そのひも状のものを、巻く、結ぶ。その作業は現代でも簡単すぎる、というわけではない(ちょうちょ結びが縦結びになってしまう。靴紐を結ぶのは苦手)。


 つまり。

 日本人は、アジアの端にたどり着くまでに、観察力と知恵と器用さを培ってきた、と思うのだ。そして、海を渡る術も知っていた。


 記憶は、遺伝する。遺伝子に組み込まれた記憶と、具体的に伝えられた知識。


 日本人のIQ平均値は105程度だという。そして、器用であることは間違いない。観察し、真似をし、カタチにすることが得意な民族だ。最古の罠が、日本で発見されている、ということが、私の考察の根拠にもなっている。とはいえ、発見された罠の中で最古、というだけで、今後ほかの地で『最古』が発見される可能性も十分にあるのだけれど。


 日本人が日本人となったのは。ホモサピエンスの故郷、アフリカから一番離れた場所だったから。そう、私は思うのだ。




 



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