第17話 子爵領占領②

 元カームル子爵領の領都ミーゴ。その街の住民達は大いに困惑していた。


 なぜなら、突然街中の至る所にスクリーンが現れだからだ。


 そこには、銀髪に黄金の瞳を持った絶世の美青年が映っている。


「おい、いきなり現れたこれは何だ?」


「分からない。だが町中の至る所に現れたみたいだな」


「魔法か何かなのかしら?でも、こんな魔法聞いたことないわね」


「そんなことより、このカッコいい殿方は誰なの!?」


「初めて見る顔ね。でも、本当に素敵ですね」


 住民が突然のことに困惑していると、スクリーンに映る男性が話し始めた。


『やあ、こんにちは。カームル領の皆さん。俺の名前はルーカス・クランフォード。君達の新しい主だ。』


 そしてスクリーンに映る男は、いきなり新しい主人などと意味の分からないことを言い出す。


 住民達が更に困惑する中で、スクリーンに映る男は何もない空間から生首を取り出す。


 そして、それを見た住民達は大いに困惑する。


「お、おい、あれって領主様じゃないか?」


「間違いない!カームル子爵様だ」


「えぇ!どうして領主様があんなことに…」


「俺たちの事を考えてくれる優しい領主様だったのに…」


 住民達から悲痛な叫びがあがる中、スクリーンに映る男ルーカスは、笑顔を浮かべながら再び話し始める。


『どうやら困惑しているようだね。君達の言う通り、この男はカームル子爵だ。少し邪魔だったから殺しておいた。』


『カームル子爵亡き今、カームル子爵領は俺が支配することにした。これからは、俺のために死ぬ気で働いてくれ』


『それとここに、クランフォード帝国の建国を宣言する。お前達は帝国の最初の住民だ。光栄に思え!』


『一応忠告しておくけど、逆らおうなんて思うなよ?逆らう奴は皆殺しにするからな。』


 理解の追いつかない住民を他所よそに、次々と無茶苦茶なことを言うルーカス。


 言いたいことを言い終えると、街中の至る所に浮かんでいたスクリーンが消える。


 カームル子爵領の領都ミーゴは、しばらくの間沈黙に包まれていた。


 そんな沈黙を破るような、1人の屈強な男が声を上げる。


「どう考えてもおかしいだろ!いきなり領主様を殺して、俺のために死ぬ気で働けなんて。俺は絶対に従わないね」


「そうだそうだ!なんで誰かも分からない男のために働かなきゃならないんだ!」


「本当だよな。それにクランフォード帝国ってなんだよ?頭おかしいのか?」


「まあ、従う必要はないわよね。放っておけばいいんじゃない?」


「いいや、領主様を殺した上にこんなふざけた真似まで。あいつをぶっ殺してやる!」


「お、それなら俺も協力するぜ!」


「僕も微力ながら力を貸すよ」


 そんなこんなで、住民達は打倒ルーカスに向けて動き出した。


 逆らったら皆殺しにすると忠告されたにも関わらず。

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