自作ゲームの最強キャラに転生
岩の上の朴念仁
第1話 最強キャラに転生①
生暖かい風を頬に感じて目を開ける。すると周りには見渡す限りの草原が広がっていた。
「ここはどこだ?てか俺って誰だっけ?」
疑問を声に出してみるが、明らかに自分の声ではない。
「もしかして異世界転生ってやつか?」
状況がよく飲み込めない。
とはいえ、ずっと戸惑っていても仕方ないので
少し歩くと、大きめの水たまりを発見したので覗き込んでみる。
すると、日光に照らされ輝く銀髪に、黄金の瞳を持ったイケメンが映り込んでいた。
「はあ!?これって俺が作ったゲームの最強キャラじゃね?」
水たまりに映り込む自分の姿を見た瞬間、前世の記憶が急激に頭の中に流れ込んでくる。
どうやら俺は、自分が作ったゲームの最強キャラクターに転生してしまったようだ。
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「お前は今日でクビだ。とっとと荷物をまとめて出ていってくれ」
俺の務めるゲーム制作会社の社長であり親友の長谷川陸から突然、クビを言い渡される。
「は!?何訳の分かんないこと言ってんだよ!この会社は俺達みんなで創り上げた会社だろ?」
「もうお前は用済みなんだよ!それに会社の金を横領してるのだって分かってるんだぞ?」
「おい、いい加減にしろよ!適当なこと言うな!他の幹部達は納得してるのか?」
「ああ、満場一致でな。大学の時から皆んなお前のことが嫌いだったんだよ。プログラミングの腕前だけは一流だから嫌々関わってきたけど、会社が軌道に乗った今となっては不要だ」
「そうか。本当にそれでいいんだな?」
「ああ、何度も言わせるなよ。とっとと荷物をまとめて消えてくれ」
親友だと思っていた長谷川陸から突然クビを言い渡され、会社を後にする。
俺と長谷川が出会ったのは大学のパソコンサークルで、その時のサークルのメンバーと共にゲーム制作会社を立ち上げた。
俺は会社経営より、実際にゲームを作る方が性に合っていたため長谷川に社長を任せることにしたが、まさかこんなことになるとは。
失意に沈む中、俺専属のタクシーに乗り込み、家に向かうように伝える。
まあ、一生遊んで暮らせるだけの金はあるんだし、ゆっくりとスローライフでも送りますかね。
気持ちを切り替えて、車の窓から周囲の景色を眺めていると、後方からトラックがこちらに向かって猛スピードで向かってくるのが目に入る。
「おい、スピードを上げろ!このままだと追突されるぞ!」
ドライバーに忠告するが、不気味な笑みを浮かべただけで返事をしない。
「おい、嘘だろ。まさか長谷川に指示されたんじゃないだろうな?」
ドライバーがその質問に答えるよりも先に、俺の意識は途絶えていた。
▼
記憶を思い出したら、メチャクチャ腹が立ってきた。
あの野郎、今すぐ殺してやりたいなぁ。
とは言っても、異世界に転生してしまったようなので復讐することも出来ない。
これからどうしようかと考えるが、特に良い案も思いつかなかった。
でもまあ、折角自分で作ったゲームの最強キャラクターに転生できたんだから、好き勝手やらせてもらおうか。
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