第41話 錬金術
草団子集め。それはものすごく簡単である。
取っておいた蜂蜜を置いて蓋を開けておく。蛇と蟻が集まってくる。蛇を水鉄砲で撃ち抜く。毒瓶が出る。蟻に垂らす。ポンポンポポポーン!という具合だ。
ただ、処理が面倒なんだ。数がマジでヤバイし、蜂蜜と違って適当に吸収させたら変化してしまう。あと、たまに蛇に噛まれる。
軽く百か二百匹程度を処理して一旦蜂蜜の瓶を閉じる。残った蟻を処理して、草団子を集めて、毒瓶は取っておいて……めんどくさ!
熊手でも買ってきたらよかったな。がー!っと行きたいよ。
集めた草団子を通常の草原に集めておいた。とりあえず1面あればいいし、半端にすると牧草エリアになるかもしれないからな。
少し狩りをしただけでもう夕方だ。夜になる前に、昨日の雪原を見に行く。
遠目から見ても分かる異質なエリア。常に吹雪が視界を閉ざす氷の世界。
寒冷エリアの中心は見事な氷の世界になっていた。
エリアの中心に雪団子を投げ込んでいたんだが、周辺の寒さも影響したのか、3*3エリアがまとめて氷漬けだ。
その外周2マス分、合計40マスは雪が積もった雪原エリア。更にその外周1マス分が寒冷草原となっている。
元々寒冷草原を作ったのは7*7マスだったから、外周1マス分広がってるな。
えーと、合計で9*9の81マスが寒冷エリア。外周1マスが寒冷草原、2マスが雪原、残りの3*3マスが氷の世界。
氷を見ると思い出すあの日の思い出。このエリアをアイスクライマーエリアと命名する。急げ、足手まといは置いていくぞ。(愉悦)
クライマー要素が無いけど、蜂蜜でも投げ込んで雰囲気出して遊ぼう。スキルオーブを取った後にな。
寒冷エリアはこれ以上スキルで拡張する必要はない。雪団子もあるし。
ということで、えっほえっほと入り口に戻り、更に反対側へ走った。
片方に寒冷エリアが出来た。じゃあ逆側には暑いエリアだよな。
熱くて湿度は普通な気候ってなんて言えばいいんだ?温暖はおかしいよな。まぁ灼熱エリアでいいか。
「熱波!」
寒冷地帯の時と同じ様に、弱めの天候操作を行っておく、まっすぐ4マス離れたエリアでもう一度。
これで明日には3*7マスが熱波草原になっているはずだ。
他にも攻略しなきゃいけないエリアがあるが、体力に余裕があったら拡張していこう。
◇◆◇◆◇
夜になる前にさっさと退散した。
今日は結局買い物をサボったので食うものがない。料理上手ならニワトリと魚、更に各種野菜でどうとでもするんだろうけど、俺にはできない。
部分的に解体スキルや細工スキルが使えるかもしれないが、料理の知識と技術が無いのであんまり美味しい物は食べられないんだ。俺も贅沢になったもんだぜ。
しかしあんまりお金使いたくないんだよなぁ。とりあえず寝転がってPC点けるか。
流れるような動きでVtuberの動画を再生する。V視聴はいつか卒業する予定だ。
動画はカードショップを運営するものだった。こういうの全然興味持てないんだよな。
Vtuberが次々とカードパックを開封していく。うわぁ!お金が無くなるー!とか言ってるが演技くせぇな、もっとがんばれ。
ぼけーっと眺めていたら、突然騒ぎ出した。高額レアカードが当たったらしい。
ゲーム内の価値で250万円?こんなのリアルでもあるのか?絵じゃん。
興味が湧いた。動画を止めて、高額レアカードについて調べてみる。
順位 カード名 取引価格
1位 Black Lotus(LEA) 約1000万
2位 Splendid Genesis 500〜800万円
3位 Black Lotus(LEB) 約400万円
4位 Ancestral Recall(LEA) 約300万円
ふぁー!?まじかよ!印刷した絵じゃん!無尽蔵に増やせるんやぞ!?
すげぇ、こんな世界があったとは。俺がビルメンのブラック業務に浸かっている間に、世の中は変化してたんだなぁ。
こんな絵がなぁ。絵っていうかカードか、印刷されたカード。この世界に1点きりの絵画とは違う。
………………。
俺は走り出した。常人には目にも止まらぬ速度で。
5分とかからず戻ってきた俺の手には、有名なカードのパックと32色の色鉛筆が握られていた。
「細工スキル!フルパワー!!」
美少女フィギュアなんてお呼びじゃないぜ。
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