転生したら呪いのリングだったんですけどこれいかに

枯山水

序章

プロローグ

「はっはっ、はっはっ」

後ろから砂を巻き上げながら何かが転がり近づいてくる。鬱蒼としていた木々は倒れ見渡しがよくなっている。バキボキバキボキという音が命のカウントダウンのように迫ってくる。

〈はは、あんなのにひかれたら一発でぺしゃんこだな、俺とおまえも〉

「怖いこと言わないでくださいまし!!」

かれこれ数十分は逃げ続けている。普通の人間であればもうスタミナが切れてお陀仏だ。関係ないがあいつに引かせればゴミの圧縮とか楽だろうな。

「こんなタイミングですけど、わたくしあなたに会えて最高に幸せですわ」

〈んな最期みたいなこと言うんじゃねぇよ。

あんとき幸せになるって約束したろ。なんとか生きて帰るぞ〉

「ッッ、はい!」

はーてなんでこんな事になってんだか。俺は気楽なサラリーマンだったはずなんだけどな。少なくとも命の取り合いはしてなかった。俺は一ヶ月前の出来事を思い出しながらそんなことを考えるのだった。

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